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名 称 |
三方湖のハス | ||
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学 名 |
Opsariichthys uncirostris uncirostris | ||
分 類 1 |
淡水魚類 | ||
分 類 2 |
コイ目コイ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
若狭町(旧三方町):三方湖(974) | ||
選定理由 |
希少種の生息地 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
コイ科魚類の1種,口の形が特異で両顎はへの字状に曲る. 貴重性:側線鱗数が約49で,琵琶湖産の約55よりやや少ない.三方湖が日本海側の唯一の分布域で, 地域個体群としての特性を有し,貴重である. 分布:日本における自然分布域は,琵琶湖淀川水系と大和川水系,福井県三方湖の3水域である.近 年,琵琶湖産稚鮎やフナの種苗放流に伴って,各地の河川,湖沼に移入され記録されるようになっ た.移入による分布域として福井県では九頭竜川水系,北潟湖があげられる. 生態:三方湖のハスは,1年で6p,2年で12〜13p,3年で17p(雄),15p(雌),4年で20p(雄),17p(雌),5年で22p(雄)に成長する(田中,1970).幼期及び小形魚では主に動物プランクトン及び水生昆虫類を,大型魚では主に小魚を食べる.産卵期は5月下旬〜7月上旬で,流入河川の川に遡上して産卵するが,現在その姿はほとんどみられない. | ||
保護の現状 と留意点 |
三方湖のハスは,近年生息数が激減し,現在はほとんど確認し難い.湖の富栄養化と産卵地の川の環境悪化が減少の要因と思われる.保護はほとんど行われておらず,現状のままでは将来絶滅が危惧される.さしあたって,湖水の浄化と産卵河川の環境の改善が必要である.とくに河川の水質汚濁の防止を通じ,湖の淡水の浄化を進める必要がある.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |