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名 称 |
矢代崎のヤマモモ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
小浜市:矢代(1020) | ||
選定理由 |
学術上貴重な種または個体の生育地 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
矢代崎は,小浜市矢代と志積の中間付近,背後から伸びる尾根が国道162 号線を越え若狭湾に突出したところである.ここには,県内では珍しいヤマモモの林が成立している.純林とは呼べないものの,林冠層に大きなものでは胸高直径70cm ほどもあるヤマモモが優占し,他にはスダジイ,アカガシなどの常緑高木やアカマツが混生している.林間にはサカキが顕著で,他にヤブツバキ,ヒサカキ,ネジキ,コシアブラ,リョウブ,アセビ等が生育している.林床はサカキ,ウラジロ,ユキグニミツバツツジ等がわずかに見られるだけである.これらの組成や低木層以下にヤマモモが出現しないことから,本林分はアカマツ林から常緑広葉樹林への遷移途上の群落であるとも考えられる.ヤマモモは,亜熱帯から暖温帯にかけて分布し,敦賀半島を北限とする暖地性植物である.本県では若狭湾沿岸部に広く見られるが,嶺南地方の植物相を特徴づける種として植物地理学的に貴重といえる.本林分は,面積としては小規模ではあるが,林内には大木と呼べるようなヤマモモだけでも20 本近くが生育し,見事な林相を呈している.ヤマモモが優占する群落は大島半島などにも一部見られるが,これだけ顕著で大きな個体の揃ったヤマモモ林は他では確認されていない. | ||
保護の現状 と留意点 |
本林分が成立する場所は面積や地形の上で利用価値は低いため,今後も開発など人為的影響を受けることはないものと考えられる.本地域は若狭湾国定公園内に位置することもあり,景観上重要な要素として現状のまま保存されることが望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |