福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
植  生
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名   称 弥和神社のスダジイ林
学   名
分 類 1 植生
分 類 2 常緑広葉高木林
位   置
(2kmメッシュ番号)
小浜市:宮川地区大戸(1022)
選定理由 自然植生もしくはそれに近い植生
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  弥和神社は,小浜市東部の宮川地区大戸にある.道祖神が祀られていて,地元の子供達の信仰が篤い.神社の入り口近くに胸高直径1m ほどのタブノキが見られ,そこから山側の尾根斜面に沿って約0.5ha ほどの社叢林がある.数百年は経過したと思われるスダジイ林(ヤブコウジ−スダジイ群集)で,林内には胸高直径1m 以上のスダジイの老木も見られる.林冠は,30 本ほどの胸高直径50cm 〜106cmのスダジイの大木によって覆われるが,一部にタブノキを混生している.亜高木層にはモチノキ,サカキ,コハウチワカエデ,タブノキ,タカノツメなど,低木層にはサカキ,ヤブツバキ,ヤマハゼ,モチノキ,ウスギヨウラクなど,林床にはベニシダ,シシガシラ,オニカナワラビなどのシダ植物やムベ,ヒメアオキ,スダジイ,ヤブラン,テイカカズラなどの常緑植物が主に生育している.また,径15cm あまりのフジが生育していることから,本林分には長期間あまり人の手が加わっていないことが伺える.相観的には,高木層の植被率が高く,林間及び林床は種数,被度ともに少ない状態である.なお,林間にサカキが優占することは特筆すべきで,嶺北地方のスダジイ林ではあまり見られないことである.本林分では胸高直径30cm ほどのサカキが何本か見られる.スダジイ林は,若狭地方でも近年減少の一途をたどっていることから,本林分は身近な場所で見られるスダジイ林として貴重といえる.
保護の現状
 と留意点
 現在のところ,ほぼ自然更新下におかれている.しかし,周辺部にはスダジイの切り株があり,植林されたヒノキの若木が見られる.今後も伐採が進むことが考えられることから地元の人達の理解を得ながら保護していくことが望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)