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名 称 |
駒ヶ岳のブナ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
冷温帯落葉広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
若狭町(旧上中町):駒ヶ岳(998) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
駒ヶ岳(780.1m )は,上中町,小浜市と滋賀県朽木村の境界に位置している.この山は北川の支流である河内川と松永川の源流域となっている.この地域は植林もかなり進んでいるが,麓から山頂に向かって相観的にスギ植林,アカマツ林,クリ−コナラ林,クリ−ミズナラ林,ブナ−ミズナラ林と垂直的にかなり明確な林帯が認められる.これらの優れた自然景観を生かして,森林の一部が若狭森林公園として整備されている.植生は全体的には二次林といえるが,頂上付近では,かなり自然度の高いブナ林が残されている.高木層は胸高直径50cm 前後のブナを優占種として,ウリハダカエデ,クリ,アズキナシが混じり,亜高木層にはコハウチワカエデ,ブナ,リョウブ,オオカメノキなど,低木層にはクロモジ,リョウブ,タンナサワフタギ,オオカメノキ,ナツツバキなどを含む.草本層では出現種が多く,チシマザサ,コアジサイ,ヤマソテツ,ムラサキマユミ,ヒメアオキ,ハイイヌガヤ,シノブカグマ,ハイイヌツゲ,ヒメモチ,タンナサワフタギ,オオカメノキなど日本海要素の種が中心に生育している.本林分は,これらの構成種から,植物社会学的にはクロモジ,タンナサワフタギ,コアジサイ,ヨグソミネバリなどを標徴種とするクロモジ−ブナ群集に属するものと考えられる.本群集は県内では嶺南地方にのみ出現するもので,嶺北のブナ林の組成と比較する上で貴重といえる.今後,自然更新されていけば,さらに安定したブナ林に推移していくものと考えられ,嶺南地方に残る数少ないブナ林の一つとして保護されるべきであろう. | ||
保護の現状 と留意点 |
山頂及びそれに続く稜線のブナ林は,小規模な面積ではあるが,自然状態で維持されている.しかし,その周辺は植林や二次林化が進んでいることから,今後ブナ林への影響が及ばないか懸念される.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |