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名 称 |
宇羽西神社のスダジイ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
常緑広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
若狭町(旧三方町):気山 宇波西神社(959) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
宇波西神社は,JR 小浜線気山駅の近くに位置している.国道27 号線からも本神社の大きな鳥居が見え,その背後には深緑色で厚みのある照葉樹林が鎮守の森としての存在感を示している.本神社は約1300 年前に建立され,以来,地域の人々から海漁と安産の守神として信仰を集めている.大切に管理されている境内には,スギの大木が見られ,石垣にはシダ植物のミツデウラボシが生育している.社殿背後の斜面にはスダジイの自然林が見られる.本社叢林の林冠層は一部ヤマモモなどが混生するが,ほぼスダジイの純林に近い状態となっている.亜高木層にはサカキ,モチノキ,アセビ,ソヨゴや落葉樹のネジキ,コシアブラが見られる.林床にはウラジロ,ヒトツバ,ベニシダ,トウゲシバなどのシダ植物やホソバニセジュズネノキ,スダジイ,アセビ,ソヨゴ等が生育している.ホソバニセジュズネノキは,県内では若狭地方にだけ分布する稀産種で,本神社はその生育地の一つとなっている.また,同じく若狭地方の稀産種であるオオバヤドリギが採集された記録もある.本林分はこのような稀少種の生育環境としても重要な存在である.また,組成的にはスダジイ−ヤブコウジ群集に属するものと考えられ,本地域の潜在植生がうかがえる貴重な林分である. | ||
保護の現状 と留意点 |
社叢林として保護されてきたため,ほぼ自然林に近い状態で維持されており,今後も伐採等の人為的攪乱はないものと考えられる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |