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名 称 |
門ヶ崎のクロマツ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
温帯針葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
敦賀市:白木 門ヶ崎(915) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
敦賀半島先端の西側にある白木地区に門ヶ崎がある.この地域は急峻な山が海に迫り,花崗岩でできた海岸は海食作用により断崖を形成して,優れた景観となっている.この断崖の上部にはクロマツやスダジイなどの森林が分布しているが,特にクロマツ林は自然林の様相を呈し,白い岩肌と調和のとれた素晴らしい海岸景観をつくっている.本林分の林冠は,胸高直径約40cm ,高さ10m ほどの見事な枝振りのクロマツに覆われ,林間にはヤブツバキ,トベラ,ヒメユズリハ,ネズ,ヤブニッケイなどが,林床にはアキノキリンソウ,サルトリイバラ,オカトラノオ,テリハノイバラ,アオツヅラフジ,ハマエノコロなどが生育している.階層構造もはっきりしており,かなり安定した林相を呈している.クロマツ林は,本県の海岸付近に広く帯状に見られるが,そのほとんどは防風,防潮林として植林されたものである.しかし,本林分は林間にトベラが高い被度で生育し,マサキ−トベラ群集の組成を示すことから,植林されたものではなく,風衝断崖地に成立した土地的極相と考えられる.海岸に見られるこのようなクロマツの極相林は,近年,県内で少なくなっていることから貴重といえる. | ||
保護の現状 と留意点 |
現在のところ立地環境もよく,今後も自然状態で更新されていくものと思われる.新たな開発が計画される際にはこのような貴重な海岸植生が残されるよう十分な配慮が望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |