福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
植  生
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名   称 ガラガラ山のヤブニッケイ林
学   名
分 類 1 植生
分 類 2 常緑広葉高木林
位   置
(2kmメッシュ番号)
越廼村:ガラガラ山(905)
選定理由 自然植生もしくはそれに近い植生
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  ガラガラ山は,日本海に面した丹生郡越廼村の南端に位置する標高421m の低山である.周辺では,水仙の里公園,キャンプ場の造設など,観光立地を生かした開発が近年進められている.この山の南側斜面の中腹辺りは,今にも崩れそうな岩が露出し,山の名にふさわしい様相を呈している.この岩は角閃安山岩で,硬く,緻密であるため古くから建地石などの石材として利用されている.そのため,南側は大規模な採石場となっている.本地域のヤブニッケイ林は,海に面した急斜面の腐植土がほとんど見られない岩礫地に見られ,標高300m 辺りから頂上(421m )にかけて分布している.本県のヤブニッケイの多くは,沿岸から標高200m までのところに分布するが,本地域のように高標高まで分布していることは興味のあることである.これは,ガラガラ山が対馬暖流の影響を受ける温暖な環境にあるからだと考えられる.林冠を形成するのは,ヤブニッケイとシロダモの他には,僅かにカラスザンショウ,ケヤキなどで,林間にはシロダモ,ヤブニッケイ,ヤブツバキなどが見られるが被度は小さく,林床では,ヤブラン,オニヤブソテツがまばらに生育するのみで,全体として構成種は極めて少ない.
保護の現状
 と留意点
 岩礫地で,しかも急峻であるため人の手が入らず自然更新が続いている.山腹の木の生育していないところでは,岩の崩落の危険があるので,その防止に努める必要がある.また,最近は周辺において観光開発が急速に進められているが,本林分に影響を与えないように配慮することが必要であろう.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)