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名 称 |
越前海岸のスイセン | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
越前町(旧越前町),越廼村:越前海岸(906,908,930,931,932) | ||
選定理由 |
代償植生であっても郷土景観を代表する植物群落 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
スイセンは,ヒガンバナ科の球根植物で,その原産地は中欧,地中海沿岸,中国とされ,我国にも自生している.日本のスイセンは単弁一重咲きで,外国のものが帰化したものとされている.日本への伝来については中国からの渡来説と,暖流による漂流説とがあるが,定かではない.我国の暖かい海岸地帯には野生スイセンが多くみられる.太平洋側では,千葉房州,南伊豆,淡路島,四国の足摺岬付近,九州では長崎及び鹿児島県の島々に多く,日本海側では対馬暖流の影響を受ける山口県の北部から能登半島にかけての海岸地帯に多い.この中で,本県の越前海岸と,房州(千葉県),淡路島(兵庫県)が三大産地である.丹生郡越廼村から南条郡河野村にかけての越前海岸にある約60ha におよぶスイセンの生育面積は日本一である.ほとんど栽培されているものであるが,本県を代表する自然景観である.日本海の季節風にさらされたスイセンは花がひきしまって,日持ちが良く香りも最高といわれ,切り花として,関西を中心に,中京,関東などへ出荷されている.また,花の季節ともなれば,越前海岸はスイセンの花を見に訪れる観光客で賑わう.産地の町村では,観光立地を生かした環境整備を進め,従来の切り花生産に加え,スイセンを活用した様々な観光開発にも力を入れている.特に越廼村には「越前水仙の里公園」,越前町には「越前岬水仙ランド」が建設され,ここでは年中スイセンが観賞できる.越前スイセンは,「福井県の花」に指定されており,郵政省の「花の切手シリ−ズ」第1 号に取り上げられた. | ||
保護の現状 と留意点 |
栽培されているものがほとんどであるが,福井県を代表する自然景観である.越前加賀国定公園の中にあり,またスイセンを「村おこし」の柱として扱ってきたために保護されてきている.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |