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名 称 |
気比の松原 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
敦賀市:気比の松原(833,865) | ||
選定理由 |
代償植生であっても郷土景観を代表する植物群落 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
敦賀港の西,笙の川と井の口川の両河口に挟まれた海岸に砂浜が発達している.ここには約40ha にわたって「気比の松原」と呼ばれる松林が広がり,花崗岩質の砂と相まって白砂青松の景観を創り出している.この林は,その美しさから三保の松原(静岡県),虹の松原(佐賀県)とともに日本三大松原の一つに数えられている.この松林には12000 本の松が生育しているといわれている.海に面した側にはクロマツが見られるが,林全体ではアカマツの方が多く,他にフランス海岸松,大王松も植栽されている.日本の海岸の松林は,ほとんどがクロマツ林であることから,アカマツが優占する林は珍しく,その意味でも貴重といえる.一般にクロマツはアカマツに比較して耐塩性が高いため,防潮,防風を目的とした海岸林にはクロマツが植林されている.本林分も元来クロマツ林であったものが,内側から漸次アカマツ林に置き換わったものと考えられる.高木層には胸高直径60 〜70cm の大きなアカマツもかなりあるが,近年,松枯れ現象が見られ,植樹も行われている.林間には,ネズミサシ等の針葉樹,タブノキ,モチノキ,ヤブニッケイ,スダジイ,アセビ,シャシャンボ,ハゼノキ,ヤマモモ,アカガシ等の暖地性要素が優占する.中でも敦賀半島付近が北限となるヤマモモが生育していることは注目される.マルバマンサク,キンキマメザクラ等の日本海要素の他,コシアブラ,ネジキ,アベマキ,クヌギ,アズキナシ等の落葉広葉樹もかなり見られ,林床にはヤブコウジ,ツタウルシ等が生育している.林内には遊歩道が整備され,樹名板も取り付けてあって,市民の憩いの場として親しまれている. | ||
保護の現状 と留意点 |
一帯が国指定の名勝および若狭湾国定公園第1 種特別地域に指定されている.営林署により計画的に管理されており,下草の伐採やマツクイムシに対する消毒,松の植林等が行われている.松林を現在の公園のように保つには,下草を伐採し,常緑樹林へ遷移しないよう計画的に管理する必要がある.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |