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名 称 |
大芝山のミズバショウ | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
福井市:大芝山(743) | ||
選定理由 |
学術上貴重な種または個体の生育地 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
福井市の西部に位置する大芝山は,標高455.1m の低い山である.近年,この辺りは公園整備事業の一環として幹線道路が整備され,憩いを求める人々が車で訪れ,冬季をのぞく季節は,なかなかの賑わいを見せる.この道路は,ミズバショウの生育する湿地(420m )近くを通っている.湿地は,胸高直径20cm 前後のハンノキが生育する面積約1ha の湿生林となっているが,林床にヨシが繁茂し,シロネ,ミゾソバ,ヒルムシロなどが生育する泥沢地と,林床にハイイヌツゲが生育するやや乾燥気味の湿地に分けられる.泥沢地の所は,20 年ぐらい前は,水田の用水池として利用されていた.ミズバショウの多くはハイイヌツゲが生育する乾燥気味のところに生育している.最近,ヨシが繁茂する泥沢地の一部にも数株の生育が見られるようになった.しかし,全体的に乾燥化が進み,生育環境の悪化が心配されている.現在,地元の学校(安居中学校)の生徒が保護に努めている.この自生地が発見された当時は,日本でのミズバショウの自生は,岐阜県の蛭ケ野を南限とし,本地区が西限と思われていた.しかし,1975 年,兵庫県に生育しているのが発見されて,西限地は変更された.福井県の自生地としては林谷(和泉村),平家平(大野市),取立山(勝山市)などがある.また,最近では,県内のいくつかの湿地に移植されたものが見られるようになった.ミズバショウは,主に中部地方以北に分布する北方系の植物であるが,標高の低い本地区に生育しているのは,極めて興味のあることである.第四紀の氷河期に氷河の先端に乗って南下し,その後気候が温暖になったために取り残されたものが生き残ったものといわれている.このような植物は遺存植物と呼ばれ,県内の湿原に見られるミツガシワなどもそうであろうと考えられている. | ||
保護の現状 と留意点 |
道路が整備され,ミズバショウ生育地まで簡単に行けるため,人の訪れも多く,生育地への踏み込みなどが心配される.また,周辺で道路の造成,森林の伐採などが進んでいるため湿原の乾燥化が懸念される.学術上貴重な湿地として積極的な保全管理が望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |