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名 称 |
鬼ヶ岳の植生 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
武生市:鬼ヶ岳(753) | ||
選定理由 |
学術上貴重な種または個体の生育地 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
鬼ヶ岳(標高532.6m )は,武生市街地から西方約5 q,丹生山地の南東端に位置し,大虫川と吉野瀬川に挟まれ,また東側は武生盆地に面した山塊である.鬼伝説や毎年8 月15 日夜の火祭りなどで市民に親しまれており,登山者もかなり多い.鬼ヶ岳では,森林植生のほとんどが代償植生で,谷部沿いのスギ植林地に続き,山頂に向かってクリ−コナラ林,ミズナラ林(標高450m 付近から),ブナ−ミズナラ林(山頂付近のわずかな範囲で出現し,ブナの胸高直径60〜70cm .)などが見られる.また全体的に多くの日本海地域要素や温帯性要素の植物が出現し,豊富な植相を呈する.特筆すべき点としては,次のようなことがあげられる.(1)ミズナラ林からブナ−ミズナラ林にかけての林間に,この鬼ヶ岳を分布の北東限とするベニドウダンおよび日本海地域要素のアカミノイヌツゲが優占する群落が見られること.ベニドウダンは本県内では嶺南地域を中心に分布している.この鬼ヶ岳と同じタイプの群落は,主に敦賀半島西方ヶ岳の標高約500m 〜600m にかけてのブナ林に見られ,やや乾燥気味の立地条件の下で成立するものと考えられる.鬼ヶ岳では特に山頂付近を中心にかなり地形が急峻であり,この群落の成立条件を満たしていると思われる.以上のように,鬼ヶ岳のベニドウダン群落は,植物地理学的にも生態地理学的にも貴重な群落である.(2)ブナ−ミズナラ林内にヒュウガミズキ(石川〜兵庫にかけての日本海側岩地に自生し,本県内にも稀に点在する.)の群落が見られる.(3)分布の北限かあるいは北限に近いと思われるチャルメルソウ,コバンノキ,キクバヤマボクチが生育していること.(4)山頂付近において,林間にザイフリボクを著しく優占するコナラ林が見られること. | ||
保護の現状 と留意点 |
近年,県内のミズナラやコナラの枯死が目立つようになってきており,鬼ヶ岳も例外ではない.中腹の群落においてはかなりの高木層が相当にダメージを受けているので,貴重なベニドウダン群落の保護の観点からも,早急に対策を立てることが必要であると思われる.特に中腹から山頂にかけてのミズナラ林やブナ−ミズナラ林において自然更新が続くような保護対策が望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |