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名 称 |
滝谷寺の寺叢林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
常緑広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
三国町:滝谷寺(694) | ||
選定理由 |
代償植生であっても郷土景観を代表する植物群落、自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
滝谷寺は三国町滝谷一丁目に位置し,真言宗智山派の寺院である.境内には1929 年に国の名勝に指定された面積約1600 uの庭園を背面に持ち,重要文化財なども多く保存されていて,ここへ訪れる観光客も多い.境内の周縁部はタブノキ,スダジイ,ヤブニッケイなどが優占する照葉樹林で,中央部は大木の揃ったスギ林となっている.特に参道両側には江戸末期に植えられたものとされる樹高30m 以上におよぶ古木が林立して,信仰域としての名勝景観を呈している.しかし,近年,スギの老巨木が枯死するなど,環境の変化が心配されている.本寺叢は,全体としては老令巨木のスギ植栽林によって特徴づけられるが,東側および西側の周縁部斜面沿いに残存する照葉樹林は,同寺叢の一面を示している.また,それらの林叢の林間および林床には,かなり豊富な植相がみられる.参道の東側斜面にあるスダジイ林は,表層の腐植土も比較的厚く,傾斜角度15 〜20 °の緩やかな斜面に形成されている.林冠には,優占するスダジイの他に,スギ,タブノキ,アカマツなどが混生する.最も大きなスダジイで,樹高約20m ,胸高直径60cm ほどである.林間には,スダジイ,アオハダ,ヤブニッケイ,ネズミモチ,ヤブツバキ,ヒメアオキ,ヒサカキなどが,林床にはベニシダ,シャガ,ヤブコウジ,ジャノヒゲなどが生育する.本寺の周辺部に現存する森林植生は主にアカマツ林であるが,本寺叢の照葉樹林は,この地域の潜在植生を探る上での指標になると考えられる. | ||
保護の現状 と留意点 |
近年,境内の周辺において,宅地造成,道路の増設,整備など環境変化が著しい.特にスギの老木に枯れが見られるが,これらの環境変化が影響している可能性がある.このまま環境悪化が進めば,森林全体が衰退するとも考えられるため,原因を究明するとともに,保護の対策を講じる必要があろう.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |