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名 称 |
牛ノ谷の白山神社のスダジイ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
常緑広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
あわら市(旧金津町):牛ノ谷(462) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
金津町の牛ノ谷地区は,石川県との県境近くに位置している.この一帯は加越丘陵に属すなだらかな丘陵地となっている.白山神社は,JR 北陸線牛ノ谷駅の南側にあり,その社叢はスダジイ林からなっている.坂井郡の集落付近には,タブノキやスダジイが優占する照葉樹林が社叢林を中心として所々に残存しているが,この神社もその一つである.本神社の社叢林は,胸高直径60 〜70cm ,高さ15m ほどの大きなスダジイが高木層を構成し,相観的には見事な林相を呈している.しかし,それ以下の層には人手が加えられているため,亜高木や低木はほとんど見られない.林床には,ツルアリドオシ,ヒメアオキ,ヤブコウジなどが優占している.かなり,人為の影響を受けてはいるが,かつてはヤブコウジ−スダジイ群集の組成を持つ林分であったと考えられる.1979 年度および1988 年度の調査(福井県1979 ,環境庁 1988 )によれば,牛ノ谷付近にはアカマツ林が広がり,その林帯の一部に本林分があったと記録されている.しかし,今回の調査では若干のアカマツの高木はあるものの林の形態は認められず,また,本林分に隣接してスギが植林されていたことから,かつてのアカマツ林は,スギ植林に変えられたものと思われる. | ||
保護の現状 と留意点 |
1979 年度の調査では,本林分において階層構造が見られた記録があるが,現在は手が加わっていて,高木層と草本層の2 層しか認められなかった.しかしながら,林冠を形成するスダジイの大木は良好な状態であるので,今後もこの状態のまま維持されることが望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |