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名 称 |
能郷白山の植生 | ||
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学 名 |
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分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
冷温帯落葉広葉高木林・亜高山草原 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:能郷白山(245,246) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
能郷白山(1617.3m )は越美山地の最高峰で,岐阜県と福井県の県境に位置している.地形は険しく,花崗岩質のもろい岩稜が続き,所々に大きな崩壊地も見られる.昭和63 年に県境の温見峠を起点として稜線沿いに登山道ができたため,2 時間ほどで頂上に至ることができる.山頂付近の稜線および南側斜面には,風衝低木林,亜高山草原,チシマザサ草原が広がっている.夏にはニッコウキスゲ,シモツケソウ,イブキトラノオ,オオコメツツジ,コバイケイソウなどの花が咲き,素晴らしい景観となる.稜線の一部や福井県側は,2m 近いチシマザサで覆われ,所々にダケカンバ群落が見られる.また中腹部の白谷川周辺はV 字型の谷が何本も走り,大小の滝が続く.そこにはテンニンソウ,シシウド,オオヨモギを主とする高茎草原が狭谷の低部を埋め,上部にはブナ林が広がっている.ブナ林は高木層を占めるブナの密度が低く,林冠が開いたところが多い.これは花崗岩質の土壌でもろい上,地形が急峻なため倒れたり,若令のうちに枯死するためと考えられる.ブナ林の林間には,コミネカエデ,オオカメノキ,リョウブ,コシアブラ,ナナカマドが多く,林床にはヤマソテツ,オクノカンスゲ,シノブカグマが優占している.また,本地域の特筆すべき種としては,オオヤマレンゲ,ヒナノウスツボ,テバコワラビ,クモマニガナ,カラマツソウ,ヒメアカバナ,タカネヒカゲノカズラ,ホソバアカバナなどの亜高山性の種や稀産種があげられる. | ||
保護の現状 と留意点 |
本地域には見事な自然植生が残り,更には学術上貴重な植物や県内稀産種も多く生育している.貴重な遺産として後世に伝えるべき大切な地域である.また,地形的に崩壊しやすいことからも,ブナ林などの森林は保全すべきである.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |