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●種の特性
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体長約10mm 弱.淡い褐色で,雌はやや濃色.雄はやや偏平で,雌は隆起する.体表には特別の構造は全く無く,粗く点刻され,短い柔毛を生やす.触角は雄で発達して拡大するが,雌は単純.
単純な外観に対して,生態は特色深い.山間の明るい開けた砂地の河原に住み,早春のみに出現する.晴れた日,雄は地表近くを飛翔,時に群飛し,雌は石や草上に触角を伸ばして待機しており,恐らく繁殖行動と思われる.幼虫は地面に埋もれた朽ち木で成育する.
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●生息状況
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北海道と本州に分布し,分布圏は東日本に偏り,最近は近畿地方でも採集されている.産地は局所的で少ないが,個体数は多い.
本県では池田町楢俣のみで知られており,当地はかつて小さい集落があった山間の地で,足羽川支流の開けた河原がある.同様な環境は奥越を中心に点在するが,打波川流域では本種は確認されていない.
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●存続を脅かす要因
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山間部における河川の護岸工事による生息環境の改変が脅威となる.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
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