福井県レッドデータブック データベース

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鳥 類
 

 チョウゲンボウ

 

 タカ目タカ科

 Falco tinnunculus (Linnaeus)

 福井県カテゴリー  県域準絶滅危惧
 環境省カテゴリー  ―
 
 
 
  
 ●種の特性
全長33 〜39cm ,翼開長69 〜76cm のワシタカ類で,低地から高山帯の草原,農耕地,河川敷,埋立地など開けた環境に生息し,断崖,ビルや鉄橋などの人工建築物で繁殖する.
旋回と停空飛翔を交えて地上の獲物を探索し,発見すると急降下または徐々に降下して,ネズミ類などを捕らえる.その他に小鳥類,トカゲ類,カエル類,昆虫類なども捕食する.
 ●生息状況
本種は極地を除くユーラシア大陸からアフリカ大陸に広く分布する.日本では中部地方以北から北海道で繁殖し,非繁殖期は全国に渡来する.
本県では主に冬鳥として渡来していたが,1990 年代頃から周年記録されるようになり,現在はわずかだが人工建築物での繁殖記録が存在する.
非繁殖期にはワシタカ類の中では比較的普通に確認される種であるが,繁殖期の記録は少なく,また人工建築物で繁殖するために,生息環境,営巣環境ともに不安定である.
過去に巣立ち後の幼鳥が保護された事例が数件あったことから,巣立ちから独り立ち期に死亡することが多いと推定され,決して繁殖成功率は高くないと思われる.
 ●存続を脅かす要因
本種の繁殖には営巣場所となる人工構造物に加え,餌動物の生息場所となる草原などの開けた環境が必要となり,人間活動による急激な環境改変が,本種の繁殖に大きな脅威となる.
 ●参考文献
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
高野伸二.1990 .フィールドガイド日本の野鳥.342pp .財団法人日本野鳥の会,東京.
中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑〈陸鳥編〉.301pp .保育社,大阪.
森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995 .図鑑日本のワシタカ類.632pp .文一総合出版,東京.
日本鳥類目録編集委員会(編集).2000 .日本鳥類目録改訂第6版.345pp .日本鳥学会,帯広.

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