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●種の特性
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平地の水田,浅い水辺,水辺近くの草地に多く,海岸や山地の水辺には少ない.昆虫類,魚類,カエル類,クモ類,ザリガニ類などを食べる.
年1回の繁殖が普通で,他のサギ類とともに集団で営巣することが多い.ヤナギ林,マツ林,雑木林,竹林などで,コロニーをつくる.
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●生息状況
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アメリカ大陸を除く熱帯から温帯地域に生息している.日本で見られるのは,亜種のE.i.intermedia でユーラシア大陸の東南部付近に分布している.夏鳥として九州から本州北部まで渡来し,近年は分布域を北に広げつつある.
本県では,大きな繁殖地として九頭竜川と日野川の中流域を残すのみである.河川敷のヤナギ林で他のサギ類と一緒に繁殖している.ほぼ周年記録されているが,ダイサギと誤認されている可能性がある.日野川で巣立った個体が,フィリピンで確認されている. 営巣場所では糞による営巣木の枯死,騒音,悪臭を生じるため,人間との軋轢が問題になることがあるが,河川敷のヤナギ林では,問題になりにくく,本種の繁殖場所として重要である. 河川敷のヤナギ林での繁殖では,増水や強風などのために,多くの個体が繁殖に失敗することもある.
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●存続を脅かす要因
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重要な営巣場所である河川敷のヤナギ林などの減少があげられる.
農薬などによる餌の減少が考えられる.
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●参考文献
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福井県.1998 .福井の鳥とけものたち.222pp .福井県.
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.27pp .452pp .福井県. 日高敏隆.1996 .日本動物大百科 第3 巻 鳥類T.182pp .平凡社,東京都. 中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑(水鳥編).304pp .保育社.大阪府.
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