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●種の特性
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河川,湖沼,湿地,海岸に生息し,魚類,カエル類,甲殻類,昆虫などを食べる.他のサギ類と集団繁殖する鳥で,色々な木に営巣するが,人が立ち入らない場所を選ぶ.
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●生息状況
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ダイサギは,世界中の熱帯・温帯で繁殖し,亜種のチュウダイサギは,アジア東部,南部からオーストラリア付近に分布している.日本には,関東以南で繁殖するチュウダイサギE.a.modesta と,冬鳥のダイサギE.a.alba の,2 亜種が生息している.繁殖数は多くなく,今のところ絶滅のおそれはないが,減少傾向にある.
本県でも2 亜種が生息し,サギ類の集団繁殖地ではチュウダイサギが確認されるが,数が少なく不安定である. 島の林で繁殖することもあるが,貴重な植物群落が糞で枯れるといった問題を引き起こしている一面もある. 亜種レベルでの情報が少なく,調査が必要な状況である. 営巣場所では糞による営巣木の枯死,騒音,悪臭のほか,田植え直後の苗を踏む,飼育している魚を捕るなど,人間との軋轢が問題になることがある. 河川敷のヤナギ林は,本種の繁殖場所として重要である.増水や強風などのために,多くの個体が繁殖に失敗することもある.
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●存続を脅かす要因
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サギ類の重要な営巣場所である,河川敷のヤナギ林などが減少している.
餌になる動物の減少,水質の悪化が考えられる.
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●参考文献
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福井県.1998 .福井の鳥とけものたち.222pp .福井県.
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県. 日高敏隆.1996 .日本動物大百科 第3 巻 鳥類T.182pp .平凡社,東京都. 中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑(水鳥編).304pp .保育社.大阪府. 日本鳥類目録編集委員会.2000 .日本鳥類目録 改訂第6 版.345pp .日本鳥学会.北海道.
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