福井県レッドデータブック データベース

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鳥 類
 

 ツバメチドリ

 

 チドリ目ツバメチドリ科

 Glareola maldivarum (Forster)

 福井県カテゴリー  県域絶滅危惧U類
 環境省カテゴリー  絶滅危惧U類
 
 
 
  
 ●種の特性
シギの仲間では中型で,脚の長さが若干短いことで識別は容易である.
干潟や海岸の湿地草原や荒れ地状草原,干拓地,河口の三角州,砂浜,湖畔,河川敷,農耕地などで見られ,開けて植生の疎らな露出地面の多い所を好む.
空中を飛びながら,飛翔性の昆虫を捕食する他,地上を歩いたり,走ったりしながら,急に止まって昆虫類を捕食する.
 ●生息状況
ユーラシア大陸極東部から東アジアで繁殖し,冬期は東南アジアからオーストラリア大陸で越冬する.日本では,旅鳥・迷鳥として飛来するが,1974 年に宮崎県で繁殖が確認されて以来,静岡県や愛知県,福岡県で繁殖が確認されるようになっているが多くはない.個体数がそれ程多くないこともあって,かつては珍鳥扱いされていた時期があったが,近年全国各地より散発的に繁殖が報告されている.
本県では1969 年4 月に 江市の染色団地(現在の御幸町付近)で初めて発見され,その後,散発的に渡来記録が聞かれるようになってきた.春の渡りの4 〜6 月初旬に集中しており,秋の渡りについては記録がない.
観察人口が増えれば,秋の渡りなどについての新知見が得られる可能性がある.
 ●存続を脅かす要因
渡来地となる,海岸に近い砂礫地や,開けた植生の疎らな乾いた畑などや,干潟の後背地といった環境の開発が考えられる.
 ●参考文献
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然(動物編).131pp .福井県.
Peter Hayman,John Marchant,Tony Prater.1986.Shore- birds.412pp.CROOM- HELM.

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