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●種の特性
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主に低地から標高1400m 付近の高原のような比較的広々とした草原や荒れ地上の灌木のある草原で見られる.
繁殖地では,大小の池が散在する湿地草原,灌木が散在する湿原周辺の草地を好む.地上の草の根もとに巣を作る. ミミズや昆虫などの動物質を地上で採餌するが,ミズキなどの植物の種子も食べる.
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●生息状況
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国内で繁殖が確認されている種であり,越冬のためにオ−ストラリアまで移動することが確認されている.
春と秋の渡りのシ−ズンにはよく観察されるが,野外での近似種との識別は非常に難しい.北海道や本州中部の標高の高い地域では繁殖も確認されている. 本県では,春は2 〜4 月頃,秋は8 〜9 月頃に少数が見られる.繁殖の確認はまだないが, 江市と六呂師高原でディスプレイフライトのような繁殖を伺わせる行動が何回か観察されている.
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●存続を脅かす要因
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県内では越冬記録などが少なく,存続を脅かす要因を特定できるまでに至っていない.
水田の乾田化による湿地環境の減少や,繁殖環境に似た六呂師高原のような草原環境の改変が考えられる.
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●参考文献
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A.J.Prater,J.H.Marchant,J.Vuorinen.1977.Guide to the Identification&Ageing of Holarctic Waders.168pp.British Trust for Ornithology.
John Gooders その他.1971.Birds of the World vol.3.PPC- magazine. 真木広造・大西敏一.2000 .日本の野鳥590 .655pp .平凡社.
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