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●種の特性
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シギの仲間としては最も小型のグル−プで,トウネンほどしかない.特異な形の嘴をもち,他の種類と見誤ることはまずない.
主に干潟や河口の泥地などの湿地で観察される.浅い水辺ややわらかい泥をヘラ状の嘴で左右に探りながら,小さな甲殻類や昆虫類を採食する.
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●生息状況
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繁殖地として,ベ−リング海沿いのチュコト半島の一部が知られており,繁殖地がごく限定されているので,日本国内への渡来数も少ない.最近の文献によれば,もう2000 〜2800 番ほどしか生息していないと言われる.
日本には,旅鳥として春と秋の2 回,定期的に渡来することがわかっている. 本県では福井新港周辺の三里浜海岸で数回観察されているのみである.いずれも9月〜10月初旬に記録されている.春の渡りは4月〜5月頃で県内の観察確認例はまだない. トウネンやハマシギの群れのなかで発見されることが多かったが,ここ10 年程は全く記録がない.
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●存続を脅かす要因
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三里浜海岸から鷹巣海岸にかけての防風林を含めた環境は,本種にとって重要であり,この地域の開発や環境悪化が存続を脅かす要因として挙げられる.
ゴミなどによる海岸線の環境汚染が挙げられる.
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●参考文献
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David Rosair ,David Cottridge .1995 .Waders of The World .171pp .Hamlyn.
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然(動物編).131pp .福井県. Peter Hayman,John Marchant,Tony Prater .1986 .Shore- birds .412pp .CROOM- HELM.
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