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●種の特性
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繁殖地では,カラマツなどが散在する潟湖のある海岸湿地に棲む.
海岸や干潟で歩きながら,昆虫,小魚,甲殻類などを捕る. 詳しい生態はよく分かっていない.
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●生息状況
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個体数が極めて少なく世界的な希少種として広く知られている.東アジアのごく一部,サハリンで繁殖が確認されている以外に詳しい記録はない.日本では,春と秋に旅鳥として渡来したものが僅かに観察されるだけである.春の渡りは4 月下旬〜5 月中旬にかけて,秋の渡りは8 月中旬〜9 月下旬ごろまで記録がある.
本県では一例の観察記録があるに過ぎない.1970 年代後半〜1980 年代前半,三国町から福井市にかけて福井新港の造成工事が行われている頃に大規模な干潟が出現し,この時期に多くのシギ,チドリが渡来したが,その時に記録された.
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●存続を脅かす要因
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福井新港に隣接する三里浜海岸に本種が好む環境が僅かな面積で残っており,この地域の開発や環境悪化が存続を脅かす要因として挙げられる.
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●参考文献
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A.J.Prater,J.H.Marchant,J.Vuorinen .1977 .Guide to the Identification&Ageing of Holarctic Waders .168pp .British Trust for Ornithology.
Desmond Nethersole Thompson .1951 .The Greenshank (The New Naturalist).244pp .William Collins . John Gooders その他.1971 .Birds of the World vol.3 .PPC- magazine. Peter Hayman,John Marchant,Tony Prater .1986 .Shore- birds .CROOM- HELM.
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