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●種の特性
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湖沼,湿地,水田,干潟などで見られる.砂泥地に生息すると言われ,魚などを食べる.
絶壁の岩棚に小枝で巣を造るが,繁殖地が限られ,不明な点が多い.
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●生息状況
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朝鮮半島と中国の一部で繁殖する特産種.台湾,ベトナム,日本などで越冬する.世界で700 羽程度しかいないと推定されている.日本では,ごく稀な冬鳥または旅鳥である.隣県の石川県では,七尾西湾や河北潟で記録が増えている.
本県では,ごく稀に記録されるが,渡来の時期がまちまちである.今のところ,福井新港での海岸の砂礫や河口付近の浅瀬での記録に限られているが,隣県の石川県河北潟では水田にも見受けられる. 福井新港と同様の広い砂浜を有した入り江や河口は他にもあり,どのような環境が本種に選考されるか詳細な調査が必要である.
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●存続を脅かす要因
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繁殖地が限られ,個体数が少なく,不明な点が多い.
農薬や環境破壊による,生息地や餌の減少が考えられる. 水田においては,落ち着いて採餌できないことも考えられる. 県内には,本種が好む干潟のような環境がほとんどなく,唯一の飛来記録地である福井新港の環境改変が挙げられる.
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●参考文献
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福井県.1998 .福井の鳥とけものたち.222pp .福井県.
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県. 日高敏隆.1996 .日本動物大百科 第3 巻 鳥類T.182pp .平凡社,東京都. 石川県,2000 ,石川県の絶滅のおそれのある野生生物(動物編)−いしかわレッドデータブック−,155pp ,石川県. 中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑(水鳥編).304pp .保育社.大阪府. 日本野鳥の会.2001 .野鳥 通巻643 号.10pp .日本野鳥の会.東京都.
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