29.北川・南川の下流域 −河口と河川敷の野鳥−
 北川と南川が小浜市内を通って小浜湾に流れ込む流域は,付近の山稜が近くまで迫り,田圃や畑などが入り組んで豊かな自然環境を保っています.小京都と言われる若狭の寺院仏閣巡りも兼ねて身近な探鳥を楽しむことができます.
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 最も海に近い西津橋付近で北川と南川が一緒になっています.ここでは,春から白い腰の鮮やかなイワツバメの群れを見ることができ,毎年数羽が越冬しています.河口に近いこともあって,ホオジロガモやウミネコ,ユリカモメ,オオセグロカモメなどの群れが見られ,屋根でイソヒヨドリの声を聞くこともあります.
  • その上流の丸山橋から国道までの遠敷川沿いは,ヨシの茂みや中州などの河川環境に恵まれていて,初夏にはカイツブリの子育てやサギ類の餌とりの様子,一直線に飛ぶカワセミ,時には上空から餌を狙うミサゴを見ることができます.河川敷ではノビタキやオオヨシキリ,コチドリなど,運が良ければカッコウの托卵も見られ,中州ではツルシギやハマシギなども見られます.
  • 冬にはカモ類の群れの中にオシドリが,河川敷ではハクセキレイ,ビンズイなどが遊んでいますし,その上をノスリが飛ぶこともあります.田圃ではタシギ,タヒバリ,ケリ,アトリの群れ,時にはコミミズクに出会えます.
  • 秋のヘリポート周辺から河川敷では,冬羽のノビタキが旅の途中に立ち寄ってくれますし,セグロセキレイやカワラヒワが忙しく採餌している姿が見られ,退屈しないひとときを過ごすことができます.遠敷川の上流にある鵜の瀬付近の渓流的環境ではいつもヤマセミが見られ,初夏にはアカショウビンの声に胸がときめくことがあります.

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出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)