30.青葉山 −若狭富士と山岳の野鳥−
 嶺南地方の名峰に挙げられる青葉山は,若狭湾の海と相まって実に美しい姿をしています.京都府との県境にあって気軽に登山ができ,そこからの若狭湾の美しい眺めも楽しむことができます.山麓の本県側には由緒ある中山寺が,京都府側には松尾寺があって縦走するのもおもしろいです.ミスミソウやオオキンレイカなど山野草の種類も多く,自然を満喫できる楽しい探鳥路です.
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 国道27号線から中山寺に向かってゆけばその奥に青葉山青少年旅行村があります.その横から登ってゆくと海が近いだけにシイなどの常緑広葉樹が多く,ヒヨドリやメジロの声がまず聞こえてきます.4月中旬には早くも夏鳥が渡来しオオルリやキビタキ,ヤブサメなどの初認に心が弾みます.
  • よく手入れされた杉林を過ぎれば自然林も多くなり,ヤマガラ,ホオジロ,ヒガラ,イカルなどの,春を感じさせる明るいさえずりが聞こえてきます.中腹の雑木林ではゴジュウカラやアカゲラ,アオゲラ,時にはオオアカゲラも観察されます.
  • 展望台からは美しい海岸線が光って見えます.ヤブサメやウグイス,コガラやクロツグミなど,さらに北上する種も含めて5月の連休のころはとても賑やかです.頂上の東峰には青葉神社があり,ここで休憩をとりながら周りの樹々から転げ落ちる鳴き声と展望を楽しみたいものです.
  • 西峰へは岩稜の吊り尾根の部分に鎖場もある道でスリル満点の雰囲気を楽しめますが,野鳥の声まで耳に入るかどうか?50分ほどで西峰に着き,松尾寺方面へ下れば,眼下に舞鶴市が見えてきます.6月中旬までは夏鳥が楽しめますが,7月に入ると次第に海岸辺りが賑やかになって交通が不便になるので海水浴シーズンが終わるまでは避けた方が良さそうです.
  • 秋にはカラ類やカケス,コゲラ,アオゲラなどの常連に加えてツグミやシロハラなどの冬鳥の渡来を確かめられます.

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出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)