第3部 本県における環境施策の総合的・計画的推進
平成9年3月に策定した「環境基本計画」は、環境基本条例の3つの基本理念( 豊かで美しい環境の恵沢の享受と継承、 環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築、 地球環境保全の推進)にのっとり、
本県の今後の環境行政全体の道筋を明らかにしたものである。また、「環境にやさしい参加型社会」の実現に向け、県民・事業者・行政がそれぞれの立場に応じ、公平な役割分担のもとで取組みを進めることが重要であるとし、
各主体の役割や期待する取組みを明らかにしている。
空間的・時間的な広がりを持つ今日の環境問題に適切に対応するためには、公害の防止や自然環境の保全に加えて、省資源・省エネルギー、廃棄物、景観、地球環境問題など、環境を総合的な視点でとらえ、排出規制等の
規制措置のみならず、環境影響評価や経済的措置、環境教育・環境学習、民間団体の活動支援、科学技術の振興、施設の整備など、広範多岐にわたる環境保全施策を、県民・事業者・民間団体・市町村の取組みも含めて、全体
として促進するとともに、将来を見通して、体系的に組立て実施していくことが重要である。
そこで、環境保全施策の総合的かつ計画的な推進のための中心的な仕組みを示した「環境基本計画」に基づき、次に掲げる5つの長期目標の実現をめざして、各種の環境保全施策を施策相互の連携を図りながら体系的に
展開する。
また、環境基本計画の実効性を高めるためには、幅広い観点から環境施策について検討し、緊密な連携のもとで施策を実施するとともに、その成果の把握と進行管理を行うことが重要であることから、環境保全に関する
施策および環境に影響を及ぼすおそれのある施策等について、総合的な庁内調整と推進を図ることを目的に、平成10年10月、庁内に「福井県環境政策推進会議」を設置している。
なお、本第3部では、環境基本計画の長期目標に沿って施策を取りまとめた。
《長期的な目標》
(1) 健康で文化的な生活を営むことができる環境
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将来にわたり健康で文化的な生活を営むことができる環境を維持・形成して
いくため、自然の持つ再生能力や浄化機能の回復と向上を図るとともに、事業
活動や日常生活からの汚染物質や廃棄物の発生を減少させる施策を推進する。 |
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(2) 自然と共に生きることができる環境
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本県の有する豊かで多様な自然環境を、県民共有の貴重な財産として保全・
活用し、将来にわたって自然と共に生きることができるよう、自然の形態や地
域の社会的条件に応じた総合的・計画的な施策を推進する。 |
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(3) 快適な日常が実感できる環境
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草花や虫の音など四季の移ろいが実感できるとともに、星が見える夜空など
、人と自然、都市と自然が溶け合い、住んで、心がやすらぐ環境づくりに向け
た施策を推進する。 |
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(4) 地球環境保全への貢献
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地球環境問題の解決をめざし、「地球規模で考え、足元から行動する」との
理念に基づき、地域からの取組を推進する。 |
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(5) 環境の保全と創造をめざした参加型社会の基盤づくり
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県民・事業者・行政すべての主体の公平な役割分担のもと、協力・連携して
、環境に配慮した自律的・積極的な取組が行われるよう誘導するため、環境学
習の推進や指導者の育成、環境技術に関する調査研究等の施策を推進する。 |
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《施策の展開》
(1) 健康で文化的な生活を営むことができる環境
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大気環境の保全
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固定発生源対策
移動発生源対策
健康被害防止対策 |
水環境の保全
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発生源対策
閉鎖性水域の水質保全
水質浄化能力の維持・回復
水資源の維持
水質異常時対策 |
土壌・地盤環境の保全
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安全な土壌の確保と地下水の保全
地盤環境の確保 |
有害化学物質対策
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排出抑制対策
調査・研究の充実 |
騒音・振動・悪臭の防止
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騒音・振動対策
悪臭対策
廃棄物の減量化・再資源化 |
廃棄物・リサイクル対策
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廃棄物の適正処理
廃棄物の適正管理 |
災害時・緊急時における環境保全対策 |
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(2) 自然と共に生きることができる環境
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生物の多様性の確保 |
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多様な自然環境の保全と回復
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貴重な自然の保全
森林環境の保全・整備
農村環境の保全
水辺環境の保全 |
自然とふれあえる場の確保
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自然公園等の整備
森林や水辺等とのふれあい |
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(3) 快適な日常が実感できる環境
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潤いと安らぎのある環境の形成
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ゆとりのある空間の確保
緑豊かなまちづくり |
良好な景観の形成
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美しく親しみやすい景観の形成
環境美化意識の醸成 |
歴史的文化的環境の形成 |
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(4) 地球環境保全への貢献
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地球環境問題への取組
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地球温暖化の防止
オゾン層の保護
酸性雨対策
その他の地球環境問題に対する取組 |
国際環境協力 |
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循環型社会づくり
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資源の循環の促進
省資源・省エネルギー |
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(5) 環境の保全と創造をめざした参加型社会の基盤づくり
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自主的な活動の推進
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環境教育・学習の推進
自主的な活動の支援
環境情報の提供 |
環境配慮のための基盤づくり
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規制的手法
環境影響評価
公害防止協定
経済的手法の活用 |
調査・研究の推進 |
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