第7章 都市環境
 
第1節 下水道
 
 公共下水道は、主として市街地における下水を排除し、または処理するために、地方公共団体が管理する下水道で、終末処理場を有するものまたは流域下水道に接続するものであり、かつ、汚水を排除すべき排水施設 の相当部分が暗渠である構造のものをいう。
 本県においては、福井市、敦賀市、武生市、小浜市、大野市、勝山市、鯖江市、松岡町、三国町、芦原町、金津町、丸岡町、春江町、坂井町、朝日町、織田町、清水町、美浜町、高浜町および五領川公共下水道事務組 合で実施されており、県内の普及率は平成9年度で49%となっている。(表2−7−1、資料編表3−35
 
 表2−7−1 福井県下の下水道普及率の推移  [→図]
 
第2節 都市公園
 
 都市公園は、良好な風致・景観を備えた地域環境を形成し、自然とのふれあいを通じて、住民やまちにうるおいを与えている。さらに、スポーツ・レクリエーションの場の提供、公害発生の緩和、災害時の被害の緩衝、 避難・救援活動の場などの機能を有する都市の骨格を形成する根幹的施設である。
 本県の都市公園整備は、県内主要都市の戦災、震災を契機に街区公園等の整備が進み、その後、土地区画整理事業に伴う住区基幹公園の整備、さらに、総合・運動公園等の整備を積極的に進めてきた。しかし、地域的 不均衡がみられるため、県では、県内四地域に順次総合公園を整備することとし、現在、若狭総合公園、奥越ふれあい公園、トリムパークかなづの3つの公園整備に着手している。
 本県の都市公園は、平成9年度末現在で、都市計画区域を有する7市13町1村すべてに設置されており、開設公園は597か所で、面積は922.81haとなっている。
 また、都市計画区域内人口一人当たりの面積は12.90u(全国平均7.5u)となっている。(図2−7−2、資料編表6−3
 
 図2−7−2 県内の都市公園面積の推移  [→図]
 
第3節 レクリエ−ションや自然とのふれあいの場
 
1 生活環境保全林・多目的保安林の概況
 森林による緑豊かな生活環境・自然環境の保全と創出を図るための森林の総合的な整備を図っており、県内には、生活環境保全林、多目的保安林が図2−7−3のとおり24か所が整備されている。
 
 図2−7−3 生活環境保全林・多目的保安林  [→図]
番号     名称   所在地 番号       名称    所在地
 1
 2
 3
 4
 5
 6
 7
 8
 9
10
11
12
県民憩いの森(生環)
杣山史跡森林公園(生環)
若狭森林公園河内の森(生環)
国見岳森林公園(生環)
みどりと自然の村(生環)
浄法寺山青少年旅行村(生環)
刈安山森林自然公園(生環)
大島マウントパーク(生環)
矢良巣岳森林公園(生環)
青井(生環)
槇谷(生環)
八ツ杉自然公園(生環)
織田町三崎
南条町阿久和
上中町河内
福井市奥平
武生市安養寺
永平寺町浄法寺
金津町清滝
大飯町大島
河野村今泉
小浜市青井
名田庄村槙谷
今立町別印
 13
 14
 15
 16
 17
 18
 19
 20
 21
 22
 23
 24
城山(多目的)
久々子(多目的)
藤倉(多目的)
弁ケ滝(生環)
筵敷(多目的)
薗部(多目的)
三方(生環)
吉峰(生環)
関ケ鼻(生環)
部子山(生環)
沓見(生環)
宮川−内外海(生環)
越前町厨
美浜町久々
今庄町今庄
勝山市平泉寺
池田町西角間
高浜町薗部
三方町三方
上志比村吉峰
南条町関ケ鼻
池田町水海
敦賀市沓見
小浜市本保












 
                 「生活環境保全林100選」((社)全国林業改良普及協会)から抜粋
 
2 親水護岸の概況
 河川空間は、水と緑の貴重なオープンスペースとして地域社会にうるおいを与えるとともに、街の景観形成や地域住民の憩いとやすらぎの場として重要な役割を果たしている。
 特に、近年、治水対策の一環として進める河川改修事業の中で、良好な水辺空間の形成を図るため、市町村が行う公園整備等のまちづくりと一体となって親水性を考慮した緩傾斜護岸や水辺に近づける河岸の整備などの 川づくりが進められている。
 
  《代表事例》
   基幹河川改修事業  井ノ口川
   河川環境整備事業  日野川(南条町、武生市)足羽川(福井市)
 
第4節 景観
 
1 シンボルロード等の概況
 シンボルロード等の整備は、都市内の主要な公共空間である道路空間を、ゆとりとうるおいのある都市環境・生活環境の場として整備を図っていくものである。
 平成9年度までに、福井駅前線、福井縦貫線、城の橋線等において、景観向上や広幅員歩道の整備が行われている。
 
2 風致地区の指定状況
 風致地区は、都市における樹林地等の良好な自然的景観と、それと一体になった史跡名勝等を含む区域の環境を保全し、良好な都市環境を維持することを目的として定める地区である。これらの地区は、県の風致地区 条例により、建物の建築、土地形質の変更、木材の伐採等の行為が一定の規制を受けることになる。
 本県では、平成9年度末現在、福井市で3地区が定められている。(表2−7−4)
 
 表2−7−4 風致地区の概況




 
都市計画区域名 市町村名 地  区  名 面積(ha) 最終決定年月日

福    井
 
福井市
福井市
福井市
福井城跡風致地区
足羽川風致地区
足羽山風致地区
  6.9
 108.8
 194.9
 S45. 6.12
 S45. 6.12
 S55. 4. 4
合    計      310.6  




 
 
3 名勝の指定状況
 名勝は、「風致景観が優秀で、わが国の国土美として欠くことのできないもののうち、価値が特に高いもの」であり、大きく2つに分けられる。
 一つは自然景観の美しいところ、いわゆる風光明媚なところである。これは自然の美しさを基調としているが、そこに人々の働きかけによって形成された美しさ、いわゆる「天然と人工の調和」も含むものである。 県内では、三方五湖、東尋坊、気比の松原および蘇洞門(そとも)の4か所が国の指定を受けている。
 もう一つは、歴史的由緒や、庭園の美しさに価値が認められたものである。県内には、特別名勝に指定されている一乗谷朝倉氏庭園の4庭園をはじめ国指定の名勝が12か所あり、いずれも庭園である。それぞれ室町・ 戦国・江戸時代の各時代の特徴がよく表れている。江戸時代になると越前の地方色も表れている。
 
 
第5節 歴史的・文化的環境
 
1 史跡・文化財の指定状況
 文化財は、我が国の長い歴史の中で生まれ、育まれて今日の世代に伝えられてきた国民共通の貴重な財産であり、郷土の歴史や文化を理解していく上で欠くことのできないものである。
 本県には、現在、国指定の史跡が「特別史跡一乗谷朝倉氏遺跡」をはじめ21か所、県指定の史跡が29か所ある。時期的には、地表に目印のある古墳時代のものが多い。 また、古い時代の建造物や彫刻、絵画等の文化財 は、重要文化財や県・市町村の指定文化財に指定されている。重要文化財等は特に価値が高く、古くから調査が進んでいたので、戦前や昭和30年代までに指定されているものが多い。これに対して、県や市町村指定の文化財は 昭和40年代以降に指定されたものが多い。これは、郷土の文化財に対する見直しの中で指定が進められたためである。
 本県では、平成10年12月1日現在、国宝6件、重要文化財91件、県指定文化財 149件が指定されている。
 
2 重要伝統的建造物群等の指定状況
 建造物については、点的な保存だけでなく、古い町並みを『重要伝統的建造物群』に指定して、町並みや集落全体を保存していこうという考え方が生まれてきた。本県では、上中町の「熊川宿」が指定されている。
 また、明治・大正・昭和初期の建物や橋・トンネルなどが、街角や峠などに残っていて、見る人に安らぎを与えている。こうした建造物は、土地のシンボルとなっていることも多く、生活にとけ込んだ「残しておきたい 風景」として私たちに訴えかけている。これを『登録文化財』とし、「内部を改造するなどして地域の活性化のために積極的に活用しながら、文化財をゆるやかに守っていく」という制度ができている。本県では、この登録 文化財に、平成10年12月1日現在、11件が登録されている。
 

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