第4章 騒音・振動・悪臭
第1節 騒音
騒音は、各種公害の中でも日常生活と関係が深く、その発生源は、工場・事業場、建設作業、自動車、鉄道のほか、飲食店等の深夜営業、拡声機を使用する宣伝活動など多種多様なものがある。
平成9年度の騒音に係る苦情件数は44件であり、前年と比較すると2件(4.8%)減少している。苦情内容を発生源別にみると、工場・事業場や工事現場の作業音等に起因するものが多い傾向にある。(
資料編表7−1)
また、自動車騒音については、道路に面する地域の環境基準および要請限度が定められている。(
資料編表5−2−1、2)
自動車騒音については、県下の49地点で市町村が測定を行っており、その結果をもとにした環境基準の達成状況および要請限度の超過状況は図2−4−1のとおりである。
市町村長は、規制地域内の自動車騒音が要請限度を超えることにより、道路周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、都道府県公安委員会に対し、整備不良車両の取締りなど道路交通法による措置をとるよう
要請することになっている。さらに、必要に応じ、道路管理者等に対して、道路構造の改善その他自動車騒音の大きさの減少措置について意見を述べることができることになっている。
本県においては、平成9年度、3地点において4時間帯のいずれかが要請限度を超過しているが、公安委員会に要請を行ったり、道路管理者に意見を述べるには至っていない。
図2−4−1 環境基準の達成状況および要請限度の超過状況
[→図]
(要請限度超過地点)
|
測定地点
|
区域の
区 分
|
車線数
|
調査年度
|
騒音レベル(デシベル) |
朝 |
昼 間 |
夕 |
夜 間 |
6:00〜
8:00 |
8:00〜
19:00 |
19:00〜
22:00 |
22:00〜
6:00 |
福井市御幸4丁目
(国道8号)
|
第3種
|
4車線
|
9年度 |
70 |
70 |
70 |
[ 67 ] |
8年度 |
72 |
73 |
70 |
[ 70 ] |
要請限度 |
75 |
80 |
75 |
65 |
福井市豊岡1丁目
県道殿下福井線)
|
第2種
|
2車線
|
9年度 |
55 |
66 |
[ 66 ] |
52 |
8年度 |
53 |
65 |
64 |
51 |
要請限度 |
65 |
70 |
65 |
55 |
福井市御幸4丁目
(市道環状西線)
|
第2種
|
2車線
|
9年度 |
56 |
68 |
[ 67 ] |
51 |
8年度 |
54 |
66 |
65 |
49 |
要請限度 |
65 |
70 |
65 |
55 |
|
|
[ ] : 要請限度超過時間帯
第2節 振動
振動は、騒音と関係の深い公害であり、振動の発生源である工場・事業場、建設作業、自動車、鉄道等は、同時に騒音の発生源であることが多い。
平成9年度の振動に係る苦情件数は4件で、前年の17件から大幅に減少した。苦情内容を発生源別にみると、建設作業からのものがその大半を占めている。(
資料編表7−1)
第3節 悪臭
悪臭は、不快な臭いとして、もっぱら感覚的な被害を与えることにより生活環境を損なうものである。また、嗅覚には他の感覚と比べ順応性が高いという特殊性があり、悪臭による被害感には個人差や地域差が顕著に
認められる。
平成9年度の悪臭に係る苦情件数は46件であり、前年と比較すると11件(19.3%)減少している。苦情内容を発生源別にみると、製造業や畜産業、サービス業、家庭生活に起因するものが多い傾向にある。
特に、製造業については、複数の工場からの多種類の物質が相互に関与しあった複合臭が原因と考えられる苦情もあり、対応が困難となっている。(
資料編表7−1)
[→次へ進む][→目次へ戻る]
ERC.PREF.FUKUI.JP