第6部 計画の推進のために 第1 環境に配慮した取組の推進 豊かで美しいふるさと福井の環境の保全と創造を進めていくためには、県民・事業者・行政 がそれぞれの立場に応じた役割を十分に理解し、公平な役割分担のもとで、「環境にやさしい 参加型社会」の実現に向けた取組を進めることが重要です。 そこで、各主体の役割や期待する取組を明らかにします。 1 県および市町村の役割 ○ 県は、環境問題の性質に応じて、条例等に基づく基本方針や指針などを策定し、環境 保全に関する施策の方向、各主体の役割等を提示する。 ○ 県は、環境影響評価、規制の措置、調査研究などを進めることにより、各主体の環境 保全に係る行動の基盤づくりを進める。 ○ 県は、県民・事業者・団体の自発的積極的な行動を効果的に促進するためのプログラ ムづくりを、県民等の参加を得ながら進める。 ○ 県は、環境教育・学習、環境情報の提供、基金の充実等を進める。 ○ 県は、各種施策の策定・実施に際し、環境の保全の見地から、十分配慮する。 ○ 県は、国、近隣府県および市町村等の行政機関との連携を図り、効果的な施策を推進 する。 ○ 県は、事業者・消費者の立場から、環境の保全に関する行動計画を策定し、率先して 実行する。 ○ 県は、職員に対する環境教育の実施や環境保全活動の推奨に努める。 ○ 市町村は、問題の性質に応じて、地域環境の保全に関する基本的な計画を策定する など、県に準じた施策やその他の独自の施策を自主的・積極的に推進する。 2 事業者の役割 ○ 公害の防止はもとより、環境への負荷の低減を自主的・積極的に進めるとともに、 その能力を活かした積極的な行動に取り組む。 ○ 開発に当たって、自然環境への影響をできる限り抑制、軽減するなど自然環境の適正 な保全に努めるとともに、野生動植物が生息・生育できる環境の確保に努める。 ○ 製品等が廃棄物となった場合に、その適正な処理が図られることとなるように製造等 の段階において必要な措置を講じる。 ○ 製品等が使用されまたは廃棄されることによって生ずる環境への負荷を低減させる。 ○ 環境への負荷の低減に資する原材料の利用や物流サービス等の役務の利用に努める。 ○ 敷地の緑化、地域の美化活動への参加等、環境保全活動の積極的な取組を進める。 ○ 海外において事業活動を行う場合は、公害防止技術移転や環境配慮に努める。 ○ 従業員に対する環境教育の実施や環境保全活動への推奨に努める。 ○ 環境担当部署の設置や環境監査の実施等、環境マネジメントを自主的に進めるととも に、行政が実施する環境保全施策に協力する。 3 県民の役割 ○ 大量消費・大量廃棄型の生活様式の改善が必要であり、人間と環境との関わりについ ての理解を深め、さらに自らの生活が及ぼしている環境への負荷の大きさを認識して、 環境の保全のための行動に自主的・積極的に取り組む。 ○ 県や市町村が実施する環境保全施策に協力するとともに、地域の環境美化活動やリサ イクル活動、民間団体が行う環境保全活動等に参加する。 ○ 人間と環境との関わりや日常生活において自らが取り組む方策等について理解を深め るため、講演会、学習会、自然体験など、環境学習に積極的に取り組む。 4 民間団体の役割 ○ リサイクル活動や緑化活動、啓発活動、調査研究などの活動を推進する。 ○ 県や市町村、事業者、他の団体等と協力・連携し、より一層の取組を進める。 ○ 環境への負荷の少ない地域社会の実現に向けて、県民・事業者等の環境保全活動を 促進するための環境教育・学習に関する活動を推進する。 第2 計画の効果的な推進 長期的な目標の実現に向けての着実な実行を確保するため、すべての主体が基本計画の内容 に沿って、共通の認識のもとで行動すること、さらに環境を総合的な視点で捉え関連する諸 施策を緊密な連携のもとで取り組むことが重要であるとの認識に立って、各主体との連携、 計画の推進体制、進行管理等を明らかにします。 1 各主体との連携 ○ 県は、県民・事業者・民間団体が協力連携して基本計画に沿った取組を積極的に行う こととなるよう、計画の周知をはじめ、さまざまの手段を通じて環境に関する情報を 提供する。 ○ 県と市町村は、基本計画に掲げる各種の施策を効果的に実施するため、連携・協力を 図る。 2 計画の推進体制 ○ 県は、基本計画に掲げる各種の施策の実効性ある推進と計画の進行管理を図り、長期 的な目標を実現するため、「福井県環境政策推進会議(仮称)」(以下「推進会議」と いう。)を設置し、その適切な運営を図る。 ○ 推進会議では、計画に基づく環境施策や事業の実施、計画に定めた具体的な数値目標 等の達成の進捗状況の把握、ならびに環境に影響を及ぼす事業の環境配慮について、 総合的な推進・調整を行う。 3 指標等の設定 ○ 長期的目標の達成状況を客観的に示す「総合的な環境指標」について調査研究を進め、 その成果を、基本計画の実行および見直し等の中で活用する。 ○ 基本計画において定めた具体的目標については、必要に応じ見直しを行うとともに、 現状において具体的目標の設定が困難なものについては調査研究に努める。 4 計画の進行管理および計画の見直し ○ 推進会議において、基本計画に基づく施策の進捗状況および具体的目標の達成状況を 把握・点検するとともに、福井県環境白書等で明らかにする。 ○ 環境状況の変化や社会経済情勢および科学技術の進展などに対応するため、5年を 目途に計画の見直しを行う。
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