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名 称 |
小丹生南の前浜堆積物と生痕化石 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
福井市:小丹生町(875) | ||
選定理由 |
古生物学的に重要な地点,その他地質学的に貴重な地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
福井市小丹生南には平行葉理または低角のクサビ型の斜交葉理の発達する細粒砂岩が分布する.細粒砂岩は淘汰が良く,葉理の基部にはやや重鉱物が密集する.このような特徴は海浜の中でも前浜に特徴的なものである.この付近の海岸には,火山豆石を含む凝灰岩,細粒砂岩中の上位に発達するラグーン堆積物と貝化石密集層や干潟に特徴的なカキの化石礁,泥岩に含まれる植物葉体およびマングロ−ブ植物の花粉化石,砂岩には生痕化石,魚類脊椎骨,スッポン類,シカ類やゾウ類などの動物化石,あるいは甲殻類の巣穴であるオフィオモルファ(Ophiomorpha nodosa )が存在する.オフィオモルファは干潟から前浜に典型的に存在する生痕化石であり,径2 〜3cm の管状構造と外表面にコブ状突起を持つことが特徴である.その長さは底質により異なり,この地域で観察されたものは約30cm 前後のものが多い.その他,ウニの糞痕と推定される生痕化石も存在する.火山豆石を多く含む凝灰岩も存在するなど,この地域一帯は中新世の堆積岩がよく露出し,越廼村の軍艦島(101 )と並んで,地層観察の最適地である.堆積岩が堆積した当時の環境を示す堆積構造や,固結後の断層などの観察に適している. | ||
保護の現状 と留意点 |
越前加賀海岸国定公園内に位置する.福井県内では,このように連続した地層を観察でき,さらに新生代の陸上動物化石が産出している場所はほかにはほとんど見あたらない.今後とも保存していくべきものである.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |