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名 称 |
五太子の滝と植物化石 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
福井市:五太子(781,818) | ||
選定理由 |
古生物学的に重要な地点,その他地質学的に貴重な地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
福井市一光から西へ流れ,大丹生付近の日本海へ注ぐ一光川上流にある高さ約20m の滝は,その雄大な眺めのため,観光地となっている.周囲の地質は国見累層最下部を占める礫岩層と糸生累層最上部の火山礫凝灰岩が分布している.滝そのものは変質した安山岩からできている.この安山岩は国見累層最下部付近に貫入している貫入岩である.五太子の国見累層下部には砂岩・泥岩の互層が露出している.泥岩中からはニレ属(Ulmus sp .),ラウロフィルム属(Laurophyllum sp.),フウ属のLiquidambar miocenica ,カエデ属のAcer trilobatum ,ツバキ属のCamellia protojaponica ,ウリノキ属のMarlea aequalifolia やM.sinensis などの多くの植物化石が産出する.これらはタイワンフウ(Liquidambar miocenica )の葉化石を含んでいることから台島植物群(中新世中期の暖地性植物に由来する化石群)に対比される植物化石である.タイワンフウはナウマンヤマモモと共に中期中新世の示準化石として有名な種で,カエデのように分岐する葉を持つことで特徴づけられる. | ||
保護の現状 と留意点 |
景勝の地として有名な場所であり今後とも保護していく必要がある.地質学的にも,福井を代表する植物化石産地であり,将来まで残していけるよう保護する必要がある.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |