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名 称 |
ツクシガモ | ||
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学 名 |
Tadorna tadorna | ||
分 類 1 |
鳥類 | ||
分 類 2 |
カモ目カモ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
特定せず | ||
選定理由 |
保護上重要な種・亜種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
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解 説 |
ヨーロッパ中部の沿岸や黒海周辺から中国東北部までのアジア中央部で広く繁殖し,ヨーロッパ南部,インド北部,日本などで越冬する.日本には,北九州市の曾根海岸,長崎県諫早湾に集中して800 羽ほどが越冬し,それ以外の西日本各地でも少数が越冬する.本県では,1990 年12 月〜1991 年2 月に大堤および北潟湖,1993 年11 月〜12 月に久々子湖で観察されている.北九州で越冬する個体群はもっぱら干潟で貝やカニを採食している.本県では,刈り取り後の水田を採食場所としている. | ||
保護の現状 と留意点 | 現在,「鳥獣保護法」により本種の捕獲,飼養,譲渡などが規制されている.本種の主な生息環境である干潟は,全国的に埋め立てや干拓などによって失なわれつつある.日本における主要な越冬地の諫早湾は,1997 年から干拓工事が始まり,越冬群の今後の動向が注目されている.干潟は大規模工事による消失だけでなく,泥質化や砂地化など周辺の環境変化の影響を受けやすい.つまり,本種の越冬数の変化は多様な生物が生息する干潟の変化を表していると言える.干潟のない本県では,採食場所となる刈り取り後の水田の存在が重要である.カモ類が多数越冬する湖沼付近の水田の一部を田起こしせずに水を張っておくなどの対策が考えられる.また,事前に,その他の種も含めた湿地性の大型の希少鳥類の飛来に対する「対応・保護マニュアル」を作成しておくことも重要である. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) 出典「福井県レッドデータブック(動物編)」(2002年3月 福井県福祉環境部自然保護課発行) |