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名 称 |
オオムラサキ | ||
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学 名 |
Sasakia charonda charonda | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
チョウ目タテハチョウ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
福井市:八幡山(590),大安寺(660),大野市:荒島岳(142),南六呂師(159),中休荒島(187),木本(236),宝慶寺(286,287),和泉村:大谷(67),下半原(32),伊勢(106),朝日(102),下大納早稲田谷(125,146,147),美浜町:新庄(925) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
本種は,国蝶に指定されている極めて有名な種であると共に,大型のタテハチョウであり,野外で観察される本種の美しさ,雄大さは万人の認めるところである.また,裏面地色は,黄色型と白色型の2 つがあり,いずれの型も本県にて採集されているが,詳しい調査は,今後の研究課題である.本種は,北海道の一部,本州,四国,九州に分布し,県内では,低密度ではあるが低山地からやや山地帯にまで広く分布する.成虫は,6 月下旬〜7 月下旬に出現し,渓谷を緩やかに滑空し,樹液,果実等に飛来する.母チョウは,エノキに多数産卵し,幼虫で越冬し,翌年に成虫となる.成虫の観察が困難なのに対し,越冬幼虫は,山間部の限定されたエノキの根本付近にて多数観察される. | ||
保護の現状 と留意点 |
本種は,ゴマダラチョウと成虫の生息地域や幼虫の食樹が似ているものの,明らかに人為的に開発された環境に対する適応度は,本種の方が低く,自然度の指標生物としての有効性が高いと考えられる.県内において,かつて高密度の生息地域が確認されていたが,現在はそのような生息地域は少なくなった.現在確認されている生息地域における,地形,植生,人為的開発度などの質・量を考慮した総合的な保護施策が必要である.具体的には,本種の生息状況の綿密な調査結果を踏まえた.産卵用エノキの指定と保護,ならびに周辺二次林の保全と地域住民への理解や協力を求めることが考えられる.また,全国では,オオムラサキの保護活動例が多くあり,これらを参考にして,本県独自の効率の良い保護対策を組み立てる必要がある. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |