福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 グンバイトンボ
学   名 Platycnemis foliacea sasakii Asahina
分 類 1 昆虫類
分 類 2 トンボ目モノサシトンボ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
小浜市:中名田和多田(1089,1101),口田縄(1062),名田庄村:口坂本(1125,1126),佐野(1114,1115),小倉(1091,1103),下(1102),大飯町:神崎(1133),岡安(1132)
選定理由 分布限界種
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  日本に生息するモノサシトンボ科で最小の種で、♂♀とも腹長31〜33mm、後翅長19〜23mm。♂の中・後脚がまっ白い軍配状をしている特異なトンボである。日本列島の特産亜種で、関東以西の本州と四国・九州に分布し、宮城県にも1産地が知られている。主に丘陵地の湧き水に関わりのあるゆるやかな清流に生息しているが、産地はかなり局地的である(石田ほか,1988)。
 県内では小浜市、名田庄村の南川周辺と、大飯町佐分利川周辺の記録のみで、6月上旬から7月中旬にかけて記録された。本種は石川県、富山県での記録がないことから日本海側の北限と考えられる。
保護の現状
 と留意点
 前回の調査では記録がなかったが、1986年7月に初めて南川周辺で採集され(清水,1988)、その後もこの周辺で局地的ではあるが多数の個体が観察されている(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1998)。名田庄村の下から井上にかけて、南川では1994年頃からヨシ類が繁茂し始め、一部は流れをほとんど覆いつくすまでになった。それに伴い、同区間ではグンバイトンボの数は激増したが、局所的に生息していたアオハダトンボは見られなくなった(和田,1997)。この2種の保護には河川敷内のヨシ類の適度な繁茂が必要でり、生息地周辺における河川敷の整備には十分な配慮が必要である。





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)