Ciconia (福井県自然保護センター研究報告) データベース

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表 題 標識調査から得られた鳥類の外部計測値,捕獲時期および生存日数
著者名 大迫義人・三原学
掲載巻 Ciconia Vol.7
発表年 1998
分 類 鳥類
要 約  1991年から1997年まで,福井県大野市六呂師高原にある神明山で,カスミ網を使って鳥類の標識調査を行ない,各種の外部計測値,捕獲時期および生存日数について整理し分析してみた.シジュウカラ科の4種,エナガとホオジロ科の5種において,エナガを除く各種は,翼長より尾長が短い体型をしていた.また,成鳥のヤマガラでは,翼長と尾長に有意な性差が,同齢のシジュウカラでは,翼長,尾長,ふしょ長および体重に有意な性差があった.ほぼ周年,捕獲されたのは,ヤマガラ,シジュウカラで,調査地には周年,生息していた.しかし,コガラ,ヒガラは,調査地での繁殖は確認されておらず,越冬のために高標高地から下りてきたものと考えられる.秋期にだけ捕獲された種のうち,ジョウビタキ,シロハラ,マミチヤジナイ,ツグミ,アオジは,1月,12月に捕獲されなかったことより,さらに低標高地で越冬すると考えられる.7年間で最も長い生存が確認されたのは,コゲラで723日,エナガで655日,ヒガラで366日,ヤマガラで1,5O4日,シジュウカラで1,514日で,これ以上の生態的寿命があるといえる.

Copyright (C) 福井県自然保護センター
出典「Ciconia(福井県自然保護センター研究報告)」(福井県自然保護センター発行)