表 題 |
渡り鳥保全調査報告1995年度 −海岸の鳥類相− |
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著者名 |
福井県自然保護センター |
掲載巻 |
Ciconia Vol.6 |
発表年 |
1997 |
分 類 |
鳥類 |
要 約 | 1995年度の夏期と冬期に,福井県内の計20カ所の海岸で鳥類相とその繁殖状況を調査した.のベ44日の調査で計13目30科87種の鳥類が記録され,計7目18科28種の鳥類の繁殖が確認された.これらのうち環境庁指定の「日本の絶滅のおそれのある野生生物」の危急種のカンムリカイツブリが九頭竜川河口,河野海岸,敦賀湾,敦賀半島,常神半島で,ミサゴが常神半島で,ハヤプサが三国芦原海岸,越前海岸で,希少種のチュウサギが若狭湾で,コクガンが常神半島で,そしてオシドリが若狭湾で記録された.また,越前海岸で観察されたオオハムは,冬羽が酷似している近縁種のシロエリオオハム Gavia pacifica の可能性が残っている.常神半島で観察されたシロカモメは,福井県では3例めの記録であり,河野海岸で観察されたウミネコの繁殖は初めての記録である.これらの貴重種の動向も含め,長期にわたる精密な調査が必要であろう. |