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●種の特性
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黒田標本によれば,殻長87mm ,殻高43mm ,横長の楕円形の淡水産の二枚貝.左右両殻はよく膨らみ,殻頂は背線のほぼ中央に位置し,背縁より高く膨らむ点で,日本産ドブガイと区別できる.
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●生息状況
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山口県阿部町福賀の溜め池で採集されているのみ.県内では,淡水魚が生息するほど塩分濃度が低い三方町三方湖で,黒田により1961 年(月日不詳)採集されている.三方湖に流入する河川や三方湖には,ドブガイが多数生息するので精査する必要がある.
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●存続を脅かす要因
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ドブガイはタナゴ類の産卵母貝であり,グロキディウムがタナゴ類に寄生するので,河川や湖の自然の多様性の低下が本種の生存に悪影響を及ぼす.河川の汚染や護岸工事などによる生息環境の改変が本種の減少の要因である.
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●参考文献
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波部忠重・増野和之.1991 .フネドブガイ山口県に産す.ちりぼたん.22(1 ).p5 .
山下幸一・波部忠重.1993 .若狭三方湖からのフネドブガイ.ちりぼたん.24(1).p3 .
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