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●種の特性
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殻高8mm 内外,殻径2.3mm ,巻数5 回の薄質の長卵形の淡水巻貝.螺層は膨らみ,縫合は浅い.螺肋は弱く密にある.殻色は淡黄褐色から黒褐色まであり,ワカウラツボとは異なり蓋の内側に肋状付属物がない.
黒田が1957 年に確認してから,40 年ぶりの1998 年に生息が再確認された.
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●生息状況
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北海道から九州までの内湾や河口の,潮溜まりの緑藻に付着する.県内では,唯一久々子湖の野球場南側の三方高校のカッター置場際の約50 uのアシ原の緑藻の中に生息している.
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●存続を脅かす要因
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高塩性の河口付近や湖沼に生息するため,河川や海岸の護岸工事による生息環境の改変の影響を受けやすい.
県内唯一の生息確認地は自然観察道や野球場等の公園化のための整備されている環境であるが,アシ原が刈り取られると県内で絶滅する可能性がある.
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●参考文献
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福井県自然環境保全調査研究会陸水生物部会.1998 .福井県の陸水生物.203pp .福井県.
川村多實二.1973 .日本淡水生物学.780pp .北隆館.東京.
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