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●種の特性
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本来は樹洞をねぐらにすると考えられているが,現在では,神社などの家屋や人工建造物などの利用が多く知られている.
初夏になると雌親ばかりの出産哺育集団を形成し,2子を出産する. 餌となる昆虫類が減少する冬期には冬眠するが,冬眠群が少数しか見つかっていないため詳細は不明である.
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●生息状況
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北海道,本州,四国,九州で生息が確認されているが,繁殖集団は数ヵ所しか見つかっていない.
本県では,敦賀市の通称「こうもり岩」と呼ばれる岩の隙間で数百頭からなる繁殖集団が見つかっているが,それ以外からの確認記録はなく,冬眠群も見つかっていない.
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●存続を脅かす要因
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伐採等による森林の消失により,本来のねぐらである樹洞が減少し,また採餌空間も減少している.
本県では,「こうもり岩」と呼ばれる岩の隙間を繁殖場所として利用しているため,「こうもり岩」周辺の生息環境の改変が挙げられる.
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●参考文献
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阿部永(監).1994 .日本の哺乳類.195pp .東海大学出版会,東京.
日高敏隆(監).1996 .日本動物大百科1 哺乳類T.156pp .平凡社,東京. 福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
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