7.羽坂林道 −里山の野鳥が楽しめる探鳥地−
 早春から雪の積もる初冬まで里山の四季の変化を気軽に楽しむことができます.ここで繁殖する留鳥,夏鳥や晩秋から早春まで過ごす冬鳥など,年間50〜60種前後の野鳥に出会うことができますし,今までに92種が確認されています.また,季節の野草や樹木の花を楽しむには最適の場所です.西安居地区には福井市の葬祭場を核としたフェニックスパークが建設中であり,環境整備が進められています.
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 西安居地区の羽坂町から西郷林道へ通じる右手の林道へ入ると農業用水の溜め池と上水道の配水池があります.ここから小さな沢音を聞きながら歩き出すと,早春ならばメジロやカラ類に混じってミソサザイの声が聞こえてきます.
  • クヌギの林を抜けると伐採地に出ますが,ホオジロ,ウグイス,ヒヨドリなどがさえずっています.大きく湾曲した林道に入るとオオルリやキビタキの声がエコーがかかって聞こえてきます.谷の向こうに見える松林や近くの雑木林からのさえずりを確かめながら,1時間ほど歩くと尾根付近を通る西郷林道に出ます.
  • ここまできたら同じ林道を引き返した方がよいでしょう.春の4月下旬から5月中旬までは,コマドリ,コルリ,エゾムシクイなどが順々に立ち寄ってくれますし,オオルリ,キビタキ,ヤブサメ,サンコウチョウなどは,繁殖期の終わる7月までそのさえずりを楽しむことができます.
  • 秋に入ると南下するムシクイ類やヒタキ類が地鳴きをしながら立ち寄っていきます.10月も下旬になるとルリビタキやウソなどの亜高山帯から降りてきた漂鳥に混じって,マヒワやアトリ,ベニマシコなどの冬鳥が見られるようになります.
  • 冬枯れになった林道は見通しも良く,ヤマガラやエナガの留鳥に混じってアカゲラ,アオゲラなども見られるのが楽しみになります.時にはマツの枝を巧みに渡って餌を探しているニホンリスや上空を飛翔するクマタカ,オオタカ,ノスリなどを見つけると福井の自然の豊かさを実感できます.

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出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)