7 環境用語の解説

 (あ)
【アオコ】
 植物プランクトンの一種で、藍藻類の俗称。窒素や燐の多い富栄養化し
た湖沼において夏から秋にかけて異常繁殖し、湖沼水を緑色に変色させる
。 アオコが発生すると透明度が低下したり、着臭等により上水道への利
用が不適当となる。さらにアオコが死滅する際、悪臭を発生するとともに
水中の溶存酸素を奪うため水産や観光上重大な被害をもたらすこともある
。

【アメニティ】
 アメニティ(Amenity)という言葉は、 もともとは、イギリスにおいて
都市問題、環境問題に係る思想として出てきたものであり、Pleasantnes
s(快適さ、喜ばしさ)と同義である。
 一般的に、アメニティは「快適な環境」と訳されており、生活環境を構
成する自然や施設、歴史的、文化的伝統などが互いに他を生かし合うよう
に、バランスよく存在し、その中で生活する人が好ましいと感じる状態を
表わす概念である。

【硫黄酸化物】
 硫黄と酸素の化合したもので、主なものに二酸化いおうがある。ボイラ
ー等で硫黄を含んだ燃料を燃焼することによって発生し、動植物に被害を
及ぼし、人体に対しては慢性気管支ぜん息など気道部に影響を与えるとい
われている。

【一酸化炭素】
 炭素化合物の不完全燃焼等によって発生し、ひとの血液中のヘモグロビ
ンと結びついて体内への酸素補給を阻害し、ひどいときには窒息にまでい
たる。主な発生源として、自動車の排ガスがあげられる。

【SS(浮遊物質量)】
 水中に浮遊している微細な固形物の量をいい、これが大きいほど水は汚
れている。

【オキシダント】
 大気中の窒素酸化物や炭化水素などが、強い紫外線により光化学反応を
起こした結果生ずるオゾンやPAN(パーオキシアセチルナイトレート)
などの総称であり、眼のチカチカやのどの痛みなどを起こすといわれてい
る。

【温排水】
 種々の生産活動の後に排出される温水のこと。工場、発電所など多くの
排出源があり、多量であれば環境への影響は無視できず、温度上昇、溶存
酸素の減少などの悪影響を及ぼすこともある。

 (か)
【化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)】
 PCB問題を契機に、新規化学物質の製造・輸入に際し安全性を審査す
ることを目的として、昭和48年10月に制定された。これまでにPCB等7
物質が難分解性、蓄積性、慢性毒性を有するとして「第一種特定化学物質
」に指定されたほか、難分解性であり慢性毒性の疑いのある28物質が「指
定化学物質」に指定されている。指定化学物質のうち、慢性毒性が明らか
になったものは「第二種特定化学物質」に指定され、製造数量の抑制等の
措置が行われる。

【カドミウム】
 イタイイタイ病の原因物質とされており、大量に体内に入ると慢性中毒
となり、腎尿細管の再吸収機能が阻害され、カルシウムが失われて骨軟化
症を起こすといわれている。

【環境影響評価】
 開発事業の実施により公害の発生、自然環境の破壊など環境保全に重大
な支障をもたらすことのないように、当該開発事業が環境に及ぼす影響を
事前に調査、予測、評価すること。一般に、環境アセスメントと呼ばれて
いる。

【環境管理計画】
 地方公共団体が大気、水質、自然環境などを将来にわたって守り、適切
に利用していくため策定する計画である。
 この計画には、望ましい地域環境のあり方、それを実現するための基本
的な方策、その方策を具体化する手順などが示されている。

【環境基準】
 人の健康を保護し、生活環境を保全するうえで維持されることが望まし
い基準をいう。この基準は、行政上の目標であって公害対策を総合的に進
めてゆくうえでの指標であり、工場等を直接に規制するための規制基準と
は異なる。現在、大気汚染、水質汚濁、騒音、土壌汚染について定められ
ている。

【クロム(6価)】
 大量に摂取すると、嘔吐、下痢等を起こし、少量ずつを長期にわたって
摂取すると知覚障害、皮膚の青銅色化を起こす。

【公害】
 環境基本法(第2条)の中で、公害は「環境の保全上の支障のうち、事
業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水
質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の
健康又は生活環境に係る被害が生ずること」と定義されており、これら大
気汚染以下7種類の公害は「典型7公害」と呼ばれている。

【公共用水域】
 水質汚濁防止法(第2条)の中で、公共用水域は「河川、湖沼、港湾、
沿岸海域、その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、
かんがい用水路その他公共の用に供される水路をいう。ただし、下水道法
で定めている公共下水道及び流域下水道であって終末処理場を有している
もの、またこの流域下水道に接続している公共下水道は除く」と定義され
ている。したがって、終末に処理場を設置している下水道以外のすべての
溝渠、水路が公共用水域となる。

 (さ)
【シアン】
 青酸カリで知られる有害な物質で、シアンが作用すると組織内窒息を起
こし死亡する。0.06〜0.12g /人が致死量とされている。

【COD(化学的酸素要求量)】
 水中の有機物を酸化剤で化学的に分解した際に消費される酸素量で、湖
沼、海域の有機汚濁を測る代表的な指標である。CODが大きいほど、汚
濁が進んでいるといえる。

【水準測量】
 水準儀(レベル)と標尺(スタッフ)を用いて2点間の比高を直接求め
る方法で、定量的かつ面的に地盤沈下現象をとらえることができる。地盤
沈下調査には高い精度が要求される。

【総水銀】
 水銀による汚染状況を示す測定値の名称で、検体に含まれる水銀、また
は水銀化合物の両者を合わせて金属水銀の量として、いくらあるかを分析
したものを総水銀値(量)としている。

【総量規制】
 ある地域内で排出される汚染物質の量を、その地域全体の総量で規制す
る方式をいう。

 (た)
【大気汚染常時監視テレメーターシステム】
 環境濃度等を自動測定器で連続測定したデータを無線や専用電話回線を
利用して中央監視局に送信し、得られたデータを集中的に管理するシステ
ムをいう。本県では現在38局がこのシステムにとり入れられている。

【大腸菌群数】
 大腸菌の存在はし尿の流入等を示し、これが多ければ赤痢菌、チフス菌
などの病原菌が存在する可能性があるので、水質汚濁の指標のひとつとさ
れている。
 また、大腸菌群には、非ふん便由来と考えられる多くの菌群が包含され
ているので、ふん便由来の大腸菌群をふん便性大腸菌群数にして表し、海
水浴場の調査等に使用されている。

【地盤沈下観測井】
 地盤沈下の生じている地層の位置およびその量を調査する施設をいう。
通常二重管構造の井戸を設置し、内管の抜け上がり量によって沈下量を測
定する。

【窒素酸化物】
 窒素と酸素の化合したもので、主なものに一酸化窒素、二酸化窒素があ
り、ボイラー等を設置する工場・事業場や自動車等から発生する。一酸化
窒素は血液中のヘモグロビンと結合し、酸素の補給を阻害するが、二酸化
窒素はこのほか、高濃度になると眼を刺激し、呼吸器に急性のぜん息症状
を起こすといわれている。

【DO(溶存酸素量)】
 水に溶けこんでいる酸素の量をいい、これが小さいほど有機汚濁が進ん
でいる。

【デシベル】
 騒音の大きさを表す単位で、通常の人間が聞きうる最小の音を0デシベ
ル、耳に痛みを感じる最大の音を130デシベルとし、この間を感覚等分し
て定めたもので、10デシベル大きくなると耳では音が倍になったと感じる
。

【テトラクロロエチレン】
 エチレンの4個ある水素原子すべてを塩素原子と置換した有機塩素系溶
剤である。
 用途はドライクリーニング用洗浄剤、金属の脱脂洗浄などである。発が
ん性の疑いの有る物質として水質汚濁防止法の規制の対象となっており、
また大気中の排出についても暫定基準値が定められている。

【トリクロロエチレン】
 エチレンの4個ある水素原子のうち3個を塩素原子と置換した有機塩素
系溶剤である。
 用途は金属表面の脱脂洗浄、樹脂加工などである。
 大気、水質関係の規制はテトラクロロエチレンと同様である。

 (な)
【鉛】
 大量に体内に入ると、急性中毒を起こして腹痛、嘔吐が現れるが、少量
では食欲不振、頭痛、貧血等の症状を起こす。

 (は)
【BOD(生物化学的酸素要求量)】
 水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素
量で、河川の有機汚濁を測る代表的な指標である。BODが大きいほど、
河川の汚濁が進んでいるといえる。

【PCB】
 カネミ油症事件の原因物質とされており、皮膚障害などを起こす。

【ひ素】
 ひ酸鉛など農薬に用いられ、中毒すると前身発疹、高熱等の症状が表れ
る。

【pH(水素イオン濃度)】
 水質の酸性やアルカリ性を示す指標であり、pH7は中性、それ以上はア
ルカリ性、それ以下は酸性を示す。 水道用水としては、pH6.5〜8.5の
範囲である。

【ppm】
 濃度を示す単位で1ppmは百万分の1を表している。

【PPP】
 Polluter Pays Principle の略で、環境汚染防止の費用は汚染者が支払
うべきであるという考え方。一般には汚染者負担の原則といわれている。


【富栄養化】
 窒素・燐を含む物質が湖沼等の閉鎖性水域に流入し、プランクトン等水
生植物が増殖繁茂することに伴ってその水質が悪化する現象をいう。

【浮遊粒子状物質】
 浮遊粉じんのうち10μ(ミクロン)以下の粒子状物質のことをいい、ボ
イラーや自動車の排ガス等から発生し、気道や肺に沈着して人体に影響を
与えるといわれている。

【フロン】
 冷蔵庫などの冷媒や、スプレー類に広く使われている。フロンそのもの
は毒ではないが、成層圏のオゾン層を破壊し、地上へ到達する紫外線が増
加することにより、皮膚ガンの増加や生態系へ悪影響をもたらすといわれ
ている。

 (ま)
【無過失損害賠償責任(無過失責任)】
 損害の発生について、故意、過失のある場合にだけ損害賠償責任を負う
ことを過失責任といい、故意、過失がなくても損害賠償責任を負うことを
無過失責任という。 民法709条をはじめ、近代法は個人の活動の自由を保
障するため、原則として過失責任主義をとっているが、公害など近代科学
の発達に必然的に伴う危険については、社会に危険を与えることにより利
益を亨受するものが、その危険を負担すべきであるとの考え方に支えられ
、無過失責任主義をとるようになっている。

 (や)
【有害物質】
 人の健康にかかる被害を生ずるおそれのがある物質として水質汚濁防止
法で定めた物質。

【有機塩素系溶剤】
 トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1、1、1-トリクロロエタ
ン等の総称であり、その性状は揮発性・不燃性の水に溶けにくい液体で、
生物分解が困難である。
 これらの物質については、排水基準や地下浸透の禁止等の規定が設けら
れ、公共用水域や地下水汚染の未然防止が図られている。

【有機燐】
 一般にパラチオンなどの農薬として知られ、軽症で目まい、嘔吐等を起
こし、重傷では意識が侵され死亡する。

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