第9章 自然環境の現況と保全対策

  第1節 自然環境
   1 自然環境の現況
   2 自然環境保全地域の指定
   3 開発行為の規制
   4 自然保護基金
   5 自然保護意識の普及啓発
  第2節 自然公園
   1 自然公園の現況
   2 自然公園の保護
   3 自然公園の利用と施設整備
  第3節 野生鳥獣
   1 鳥獣保護対策
   2 鳥獣保護区等の設定
   3 有害鳥獣の駆除
   4 狩猟制度の現状
   5 鳥獣保護意識の普及啓発
   6 自然保護センター
  第4節 緑化の推進
   1 緑化思想の普及啓発
   2 青少年などの活動と教育
   3 森林とのふれあいの場づくり
   4 森林資源の現状と方策
   5 緑資源の保護対策



 第1節 自然環境

1 自然環境の現況
 本県の地形は、中央破砕帯(フォッサマグナ)の西側に
発達した飛騨山脈に連続する山地を骨格として構成され、
幾度かの造山運動や火山活動等により複雑な地形が分布し
、敦賀市東方の木の芽山地を境にして、嶺北と嶺南の二つ
の地区に区分される。嶺北地区では急峻な海岸断層が海岸
に接近し、嶺南地区では顕著なリアス式海岸による多様な
小湾地形が形成され、 極めて対照的な地形的特徴を呈して
いる。県脊稜は、標高 1,000m から 1,500m の定高性稜線
をなし、特に嶺北地区では急峻な斜面を形成して 、九頭竜
川、日野川流域に平野部や盆地地形が広がり、また、海岸
沿いには丹生山地を中心に低丘陵山地があって、一層複雑
になっている。
(図2−9−1)
 本県の植生は、脊稜山地の急峻な斜面から平野部、沿岸
部への地形変化と、対馬暖流の北上、リマン海流の南下お
よび冬季季節風の影響による多雪気候によって、日本海地
域としての顕著な特色を示している。特に温暖な海洋性気
候の影響を受ける若狭湾沿岸地域と越前海岸地域や奥越山
岳地域では顕著な気候的対応を示し、本県の自然植生は、
嶺南から嶺北を通して、日本海地域要素と白山山系要素が
入りこみ、日本列島における自然植生の移行帯として、極
めて重要な地理的位置にある。
 本県における植生帯は、若狭湾沿岸地域を中心とする標
高 200m までのイノデ―タブノキ群集とヤブコウジ―スダジ
イ群集を主とする照葉樹林の自然林や標高 800m 以上の山
地、特に奥越山岳地帯を中心とする日本海型ブ ナ林である
オオバクロモジ―ブナ群集によって代表される夏樹広葉樹
林 の自然林とによって特徴づけられ、学術的にも貴重な自
然林となっている。(図2−9−2)

 図2−9−1 地形区分(略)

 図2−9−2 現存森林植生帯(略)

 野生鳥獣の生息状況は、本県に 2,000mを超える高山
帯がないことや、延長 360kmに及ぶ海岸線を有するものの
干潟が少ないことなどにより、高山性の鳥獣や日本列島を
縦断するシギ、チドリ類の渡来地は少ないが、森林性の鳥
類の種類は比較的多様性に富んでいる。特に、本県で記録
される鳥類のおよそ3分の2は冬鳥、夏鳥などの渡り鳥で
占められており、本県が日本海側における重要な渡来経路
にあたることを示している。織田町の六所山に位置する環
境庁の一級鳥類観測ステーションにおいても、日本最初に
記録されたチョウセンメジロや希少鳥類の記録があり、そ
れを裏付けている。獣類では、大型獣としてニホンカモシ
カ、ツキノワグマ、ニホンザルなどの分布が見られ、天然
記念物指定のヤマネなどの小獣も生息している。
 今後、野生鳥獣の生息環境の保全と、農林水産業などの
産業の振興とをどのように調和させていくかが、鳥獣行政
の課題ともいえよう。

2 自然環境保全地域の指定
 県の自然環境保全地域は、高山性、亜高山性植生やすぐ
れた天然林が相当部分を占める森林または草原の区域、自
然環境が優れた状態を維持している海岸、湖沼、湿原また
は河川の区域、貴重な野生動植物の生息地である区域等を
保全するため、福井県自然環境保全条例に基づき指定する
ものである。
 現在までに、敦賀市の池河内地区および池田町の楢俣地
区の2地域が指定されている。(表2−9−3)

3 開発行為の規制
 自然環境保全地域、自然公園、保安林、都市公園、市街
化区域、用途地域および風致地区等の区域以外における一
定規模以上の開発行為は福井県自然環境保全条例に基づき
事前に届け出ることが義務付けられている。届出を要する
行為は、一団地の土地の総面積1ha以上の宅地造成、ゴル
フ場やスキー場の造成、土石の採取など土地の形質変更に
係る行為である。これらの行為に対し、知事は自然環境の
保全上必要があると認めるときは、助言または勧告をする
ことができる。
 平成2年度から平成6年度までの5か年間の届出(国・
地方公共団体の通知を含む。)状況は、表2−9−4のと
おりである。

 表2−9−3 県自然環境保全地域の概況(平成7年3月31日現在)

 |   |指 定|   面 積(ha)   |     |
名|所在地|   |−−−−−−−−−−−−| 保全対象 |保全対象の具体的内容
称|   |年月日|特別地区|普通地区| 計  |     |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-
 |   |   | 7.80 |    |   |湿原植物の|高層湿原性イヌイハナヒゲ
池|敦賀市|   |うち、野|    |   | 自生地・ |−ハリミズゴケ群落、
河|   |52.  |生動植物|103.20 |111.00|野生動物の|ヤナギトラノオ(南限種)
内|池河内|3.25 |保護地区|    |   | 生息地  |ヤチスギラン(西限種)、
 |   |   | 7.40 |    |   |     |ハッチョウトンボ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-
 |   |   |    |    |   |     |ブナ−ウスギョウラク−
楢|池田町|   |    |    |   | 天然林が |チシマザサ群落、
俣|   |54.  | 162.12 | −  |162.12| 相当部分 |モミジカラマツ、シロウマ
 |楢 俣|6.19 |    |    |   |を占める |イノデ(西限種)、 シマ
 |   |   |    |    |   |森林の区域|イヌワラビ(北東限種)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-
                           (資料:自然保護課)

 表2−9−4 その他の地域内行為届出状況

 年| 宅地 | ゴルフ場 | 事務所等 |土石採取| その他 |  計
 度| 造成 | 造  成 | 用地造成 |    |     |
 −|−−−−|−−−−−|−−−−−|−−−−|−−−−-|−−−−−
  |件|ha|件| ha|件| ha|件|ha|件| ha|件| ha
 2| 4| 8.6| 2| 237.1|17| 48.0| 1| 4.0| 1| 3.6|25| 301.3
 3| 2| 2.3| 0|  0.0| 3|  7.0| 1| 4.0| 1| 1.9| 7| 15.2
 4| 1|10.3| 1| 135.6| 2|  8.3| 0| 0.0| 1| 2.3| 5| 156.5
 5|10|35.6| 0|  0.0| 4| 10.0| 5|15.5| 4|111.0|23| 172.1
 6| 4| 5.9| 0|  0.0| 2|  2.0| 2|37.7| 7| 33.5|15| 79.1
                      (資料:自然保護課)

4 自然保護基金
 昭和60年4月に、県民一人ひとりの手で自然を保護する
という目的で、福井県自然保護基金を創設した。自然保護
基金は、60年度から62年度の3か年で10億円の積立てを達
成し、その運用益で行政のみでは対応できないきめ細かい
自然保護の施策を実施している。その主な内容は、土地の
公有化等による自然環境の保全、自然保護思想の普及、自
然環境の利用促進などによる自然保護運動の推進である。

5 自然保護意識の普及啓発
 自然保護意識の普及啓発を目的として「緑の週間」、「
自然に親しむ運動」、「自然公園クリーンデー」、「全国
一斉に自然歩道を歩こう大会」等の全国的な行事のほか、
各自治体独自の自然公園行事が実施されている。 さらに
、大野市南六呂師にある自然保護センターでは、自然との
ふれあいや学習が大切との考えから、自然保護意識の普及
、生態系の調査研究等をはじめ、自然保護教育として野外
観察、天体観測、自然観察指導員の養成等を行っている。




 第2節 自然公園

1 自然公園の現況
 本県の自然公園は、白山山系の山岳公園である白山国立
公園、嶺北の隆起海岸である越前加賀海岸国定公園、嶺南
のリアス式海岸である若狭湾国定公園および奥越高原県立
自然公園の4公園で、面積は合計61,217haであり、県土
面積の約14.6%を占めている。なお、若狭湾国定公園に
は三方海中公園地区が指定されている。(表2−9−5、
図2−9−6)

 表2−9−5 自然公園の概況(平成5年6月29日現在、単位:ha)

           |    |   特別地域    |    |
           |    |−−−−−−−−−−|    | 海 中
  公園名      | 面積  |特別保護|第1種・2|普通地域|
           |    |    | 種・3種 |    | 公 園
           |    |地  区| 特別地域 |    |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 白山国立公園    | 5,206.0|  220.0|  4,986.0|    |
 越前加賀海岸国定公園| 7,314.9|  100.2|  7,012.8|  201.9|
 若狭湾国定公園   |15,457.0|  67.0| 15,185.0|  205.0| 30.2
 奥越高原県立自然公園|33,239.0|    | 19,927.0|13,312.0|
     計     |61,216.9|  387.2| 47,110.8|13,718.9| 30.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
                          (資料:自然保護課)

 図2−9−6 自然公園等位置図(略)


2 自然公園の保護
 自然公園の特別保護地区、特別地域および海中公園地区
における原状変更行為等は、環境庁長官または知事の許可
を要し、普通地域内での開発行為は、あらかじめ知事に届
け出るなど開発行為の規制を行っている。平成6年度にお
ける許可等の処理件数は表2−9−7のとおりである。

 表2−9−7 自然公園別許可等処理件数(平成6年度)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       | 白山  |越前加賀海岸| 若狭湾 | 奥越高原  |
  行為の種類 |    |      |    |      |  計
       |国立公園| 国定公園  |国定公園|県立自然公園|
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
 工作物新築等|   3|    32| 162|    14| 211
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
  木竹の伐採 |    |     1|   8|     2|  11
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
  土石の採取 |   1|     2|   7|      |  10
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
 広告物の設置|    |      |    |      | 
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
 土地形状変更|    |      |   5|     2|   7
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
  色彩の変更 |    |      |   3|      |   3
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
  その他   |   1|     8|   4|      |  13
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
 普通地域届出|    |     6|  14|    17|  37
−−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−
   計   |   5|    49| 203|    35| 292
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  (資料:自然保護課)

 また、自然を厳正に保護すべき地域や、自然環境と調和した自然公園の
施設整備を進めるべき地域などについて、昭和46年度から民有地買上げ事
業を実施しているが、これまでの公有化面積は362.35haである。
 また、近年、公園内において環境悪化等が憂慮されており、自然公園監
視員7名を配置して監視を強化するとともに、自然保護思想を公園利用者
に呼びかける運動として、広く自然公園を対象に「自然公園クリーンデー
」の行事を行っている。さらに、公園区域内の違反行為の防止と公園利用
者に対する事故防止等の指導、助言を行うため県自然公園監視協力員40名
を配置しているほか、国の自然公園指導員として県内に46名が委嘱されて
いる。

3 自然公園の利用と施設整備
 県内の自然公園の利用者数は平成6年では年間 1,700万人を数えてお
り、5年に比べて10%程度増加している。(表2−9−8)

 表2−9−8 自然公園利用者数の推移      (単位:千人)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 公園名       | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 
−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+−−−−−
  白山国立公園    |  311|  270|  492|  326|  263
−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+−−−−−
 越前加賀海岸国定公園| 7,325| 7,436| 7,313| 7,069| 7,018
−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+−−−−−
  若狭湾国定公園   | 7,515| 7,394| 7,030| 5,751| 6,975
−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+−−−−−
 奥越高原県立自然公園| 2,304| 2,720| 2,625| 2,524| 3,095
−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+−−−−−
      計     |17,455|17,820|17,460|15,670|17,351
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  (資料:自然保護課)

 自然公園行政の目的は、優れた自然景観を保護するとともに、その健全
な利用を促進することである。ことに近年は生活水準の向上、余暇時間の
増大等により、国民の自然志向はますます高まっており、これに伴い公園
施設へのニーズも多様化し、質の面でも高いものが求められている。この
ニーズに応えるため、多様で質の高い快適な公園施設の整備を進めている
。(表2−9−9)

 表2−9−9 自然公園の施設整備状況(平成6年度実施分)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 公園名   |   施設場所          |  種類    
−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−
 白山    |大野市上打波(小池駐車場)    |駐車場、園地等、
 国定公園  |勝山市平泉寺(平泉寺経ヶ岳線歩道)|歩道、駐車場等
−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−
 越前加賀海 |三国町崎〜安島(東尋坊集団施設地区)園地、駐車場等
 岸国定公園 |河野村大良(大谷北園地)     |園地
−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−
 若狭湾   |小浜市東勢(勢浜水泳場)     |公衆トイレ
 国定公園  |                 |     
−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−
 奥越高原  |大野市仏原(仏原園地)      |駐車場、歩道
県立自然公園|和泉村角野(鷲鞍岳登山道)    |歩道
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  (資料:自然保護課)

 特に恵まれた自然のなかで、家族およびグループを中心として利用でき
る観光レクリエーション施設として、昭和62年度に和泉前坂家族旅行村が
和泉村に、平成3年度に八ケ峰家族旅行村が名田庄村に完成した。これに
引き続き、大飯町でふるさと海浜公園の整備を平成2年度から行い、平成
5年7月に開園している。
 さらに、三国町で、平成5年度から国民休暇村(宿泊施設、野営場、園
地等)の施設整備を行い、平成9年度内に完成を予定している。
 また、本県の代表的な景勝地である越前海岸の自然保護と景観を高める
ため、越前海岸旅情公園化事業として、昭和59年度から平成2年度にかけ
て、約30か所の道路沿線の修景や路傍園地等の整備を行った。



 第3節 野生鳥獣

1 鳥獣保護対策
 近年、各種の開発や都市化の進展に伴い、野生鳥獣の生息環境も次第に
減少してきている。
 野生鳥獣は自然環境を表すバロメーターといわれているが、人間と共存
できる自然環境を保全し、長期的な展望にたって野生鳥獣の保護対策を進
めていかなければならない。
 このため、鳥獣保護事業計画に基づき、鳥獣保護意識の普及高揚を図る
とともに、農林業等との調和のある対策を行っていくこととしている。
 野生鳥獣の生息環境を保全し、適切な保護管理を図るとともに、狩猟に
よる危険防止や捕獲の調整等を目的に鳥獣保護区等を設定している。

2 鳥獣保護区等の設定
 鳥獣保護区の設定、特別保護地区の指定および休猟区の設定等について
は、地理的特性や社会的条件を考慮しつつ、鳥獣の保護繁殖上重要な場所
について設定を行っている。また、都市化の進展等に伴い、銃猟による危
険が予測される場所については、積極的に銃猟禁止区域を設定している。
(表2−9−10)

 表2−9−10 鳥獣保護区等の設定状況(平成7年3月31日現在)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  区分    |設定・指定| 面積(ha)|  備考     
        |箇所数  |       |
−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−
  鳥獣保護区 |   40| 26,759|
(特別保護地区)| (11)|  (867)|(鳥獣保護区内に設定)
−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−
  休猟区   |   30| 35,371|
−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−
  銃猟禁止区域|   41| 20,693|
−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−
    計   |  111| 82,823|
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  (資料:自然保護課)

 鳥獣保護区等の管理は、区域内の自然環境の保全に努めるとともに、区
域を表示する制札を設置し、必要に応じて案内板を設けて、鳥獣保護員等
による巡回を行うほか、標識類の管理および生息状況の把握に努め、密猟
の防止に万全を期している。
 また、狩猟鳥獣の増殖を図るため休猟区を重点に、人工増殖による狩猟
鳥獣を放鳥し、鳥獣の保護繁殖に努めている。
 放鳥の種類については、当面キジを対象に県外の生産施設から移入を行
っている。

3 有害鳥獣の駆除
 鳥獣による人畜、農林業に対する被害を防止するため、被害者等の申請
により、有害鳥獣駆除許可証を交付し、適切な駆除に努めている。
 有害鳥獣の駆除についての許可基準の設定にあたっては、有害鳥獣の生
息状況、被害発生時期、被害の状態等を勘案して捕獲許可を行っており、
減少傾向にある種類については、乱獲による弊害防止のため別に許可基準
を定めて、駆除事業の適正を期している。(表2−9−11)

 表2−9−11 有害鳥獣駆除による鳥獣捕獲数(平成6年度)
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−−−−−−−
 鳥類名   | 捕獲数      獣類名   | 捕獲数
−−−−−−−+−−−−−−−  −−−−−−−+−−−−−−
 カモ類   |  775     クマ    |  18
−−−−−−−+−−−−−−−  −−−−−−−+−−−−−−
 カラス類  |2,458     サル    | 268
−−−−−−−+−−−−−−−  −−−−−−−+−−−−−−
 ドバト   |  193     イノシシ  |  17
−−−−−−−+−−−−−−−  −−−−−−−+−−−−−−
 その他   |   23           |
−−−−−−−+−−−−−−−  −−−−−−−+−−−−−−
   計   |3,449      計    | 303
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−−−−−−−
            (資料:自然保護課)

4 狩猟制度の現状
 狩猟をするためには、県知事の行う狩猟免許試験に合格し、狩猟免許を
取得した後、狩猟を行おうとする場所を管轄する県知事の狩猟者登録を受
けることが必要である。
 平成6年度の狩猟免許者数および狩猟者登録数等は、表2−9−12〜表
2−9−14のとおりである。
 狩猟違反および鳥獣の違法捕獲等の取締りについては、関係機関および
鳥獣保護員との連携を図り、違反の根絶に努めている。特にカスミ網によ
る密猟の一掃と捕獲された鳥獣の流通についても取締りを強化している。


 表2−9−12 狩猟免許交付状況(平成7年3月31日現在)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  免許区分          | 免許交付数 | 備考 
−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−
 甲種(網、わな使用)     |   125 |
−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−
 乙種(散弾銃、ライフル銃使用)|   883 |
−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−
 丙種(空気銃、ガス銃使用)  |    97 |
−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−
  計             | 1,105 |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  (資料:自然保護課)

 表2−9−13 狩猟者登録証の交付状況(平成6年度)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 登録区分  | 県内者数  | 県外者数  | 計    
−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−
  甲 種  |    95 |    30 |   125 
−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−
  乙 種  |   781 |   956 | 1,737 
−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−
  丙 種  |    69 |     5 |    74 
−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−
 計     |   945 |   991 | 1,936 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  (資料:自然保護課)

 表2−9−14 狩猟者による鳥獣捕獲数(平成6年度)
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−−−−−−−−−
 鳥類名   |捕獲数        獣類名   | 捕獲数 
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 カモ類   |7,969      イノシシ  | 1,164
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 スズメ類  |4,546      オスジカ  |   143
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 キジ    |3,384      ノウサギ  |   103
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 ヤマドリ  |2,569      クマ    |    38
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 カラス類  |  959      タヌキ   |    55
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 キジバト  |  795      キツネ   |    24
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 ヒヨドリ  |  672      テン    |    33
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 ムクドリ  |  200      オスイタチ |     2
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 シギ類   |  227      アナグマ  |     2
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 ゴイサギ  |    2      アライグマ |     1
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 コジュケイ |   15      シマリス  |     1
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
 バン    |    2      ヌ−トリア |     1
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
       |           ハクビシン |     1
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−+−−−−−−−
   計   |21,340      計    | 1,568
−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−−−−−−−−−−−−−
 (資料:自然保護課)

5 鳥獣保護意識の普及啓発
 広く県民に野生鳥獣保護意識の普及、徹底を図るため、愛鳥週間等の行
事を通じて野生鳥獣に対する理解を深めるとともに、広報紙によるPR活
動、印刷物の配布等多面的な事業を展開し、趣旨の高揚に努めている。
 また、小中学校の児童生徒の鳥獣愛護に対する関心を高めるため、愛鳥
モデル校の指定を行い、野鳥保護活動の充実を図っている。
 また、鳥獣保護に関心のある一般県民に鳥獣保護員25名を委嘱し、狩猟
取締りをはじめ鳥獣保護意識の普及啓発、鳥獣生息調査の実施等に努めて
いる。

6 自然保護センター
 自然保護センターは、平成2年7月に鳥獣保護センターに代わる施設と
してオープンした。
 ここでは、自然保護の大切さと必要性を実感してもらう考えから、自然
観察の森に遊び、自然とふれあう展示を見たり、適切な指導を受けられる
学習施設を整えている。利用者および業務の状況は表2−9−15のとおり
である。

 表2−9−15 自然保護センターの活動状況(平成6年度)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  区分         |  回数   | 人数等   
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 センター入館者(本館) |       | 18,203人
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
    〃   (観察棟)|       | 13,080人
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 自然観察会       |   6回  |   267人
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 自然観察ウォーク    |   2回  |   174人
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 自然愛護教室      |   4回  |    72人
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 自然観察の森ガイド   |  25回  |   178人
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 天体観望会       |  58回  |  3,169人
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 研修・養成       |   2回  |    39人
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 鳥類等の相談・指導   |       |   273件
−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−
 傷病鳥獣取扱件数    |       |    27件
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  (資料:自然保護課)

 また、鳥獣の生息状況を把握し、鳥獣保護行政の基礎資料とするため新
しい情報の収集や鳥獣生息分布調査、指定鳥獣等保護調査などを実施して
いる。



 第4節 緑化の推進

 緑は、春夏秋冬それぞれにおいて県民にうるおいとやすらぎをもたらし
ている。特に県土の75%を占める森林は、スギ、ヒノキなどの木材をはじ
め、シイタケ、クリ、竹、山菜などいろいろな林産物の産出はもとより、
水資源のかん養、大気の浄化、土砂の流出や山崩れを防止し、県土を災害
から守るなど、私たちの生活に深いかかわりを持つとともに、様々な恵み
を与えてくれている。
 さらに、近年、地球の温暖化等環境問題に対する関心が高まっており、
森林は再生産可能な環境にやさしい資源として、重要性が再認識されてき
ている。また、森林を文化、教育、レクリエーションの場として活用する
など、森林・林業に対する県民の要請は多様化・高度化してきている。
 このような中で、木材生産機能、水資源かん養機能、国土・自然環境保
全機能、さらには保健休養機能など森林の持つ多様な公益的機能を高度に
発揮させる総合的な「緑資源」の充実を図るとともに、県民共有の財産と
しての緑豊かな環境を創造するため、県民一人ひとりが森林や緑の重要性
を認識し、県民総参加の森林(もり)づくりを推進していくことが重要で
ある。

1 緑化思想の普及啓発
 本県では、「みどりの日(4月29日)」を含めた一週間を「みどりの週
間(4月23日〜29日)」として、福井県緑化大会や緑化苗木の無償配布会
など、緑化に関する各種イベントを開催し、その普及啓発に努めるととも
に、「木の日(10月8日)」近辺の二日間、木と花と緑の祭典としてグリ
ーンフェアを開催し、都市部での緑化の普及にも努めている。(表2−9
−16)
 また、平成7年6月に「緑の募金による森林整備等の推
進に関する法律」が施行され、昭和25年からの「緑の羽根
募金」は「緑の募金」として生まれ変わった。今日までの
「緑の羽根募金」は、(社)福井県緑化推進委員会を通じ
て、県民参加の森林(もり)づくりや、県民の身近な緑化
の推進に活用されており、さらには、既存の「緑と水の森
林基金」や「ふくい緑の基金」の運用益等で、学校や公園
などの公共緑化の推進や緑の少年団等青少年の育成に努め
ている。なお、新しく生まれ変わった「緑の募金」は、森
林の整備、緑化の推進、国際緑化の推進に役立てることと
している。

2 青少年などの活動と教育
 次代を担う青少年などを対象とした森林や緑に関する普
及啓発運動は、県下の緑の少年団を中心に、野外学習等を
通じて展開されている。なかでも、平成4年度に福井県大
野市で、第3回緑の少年団全国大会を開催したのを契機に
、県下少年団の代表が一堂に会し、友愛を深め「緑を愛し
、守り、育てる」認識を深めることを目的に、平成5年度
から毎年夏に緑の少年団県大会交流集会を開催している。

 なお、緑の少年団は、平成7年10月末現在、46団、
1,944名が組織され活動している。 (表2−9−17)
 一方、環境保全が社会的な問題となっている中で、青少
年に対し、森林や林業について十分な理解を得るような教
育の充実が重要である。そこで、平成4年度から、県下の
小学校五年生全員に、森林学習の副読本としての「森と木
の質問箱」を配布するとともに、森林・林業普及啓発推進
協議会において、「森林・林業体験学習、野外活動施設ガ
イドブック」を発行し県下の全小・中学校に配布するなど
、青少年の森林・林業や緑に対する森林学習、野外学習の
普及啓発に努めている。

 表2−9−16 緑化思想の普及啓発行事の実施状況
 1 平成7年度 主な緑化行事

 主体  | 行事名・期間          場     所
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     |◆グリーンキャンペーン
     |4/24(土)〜28(金) キャラバン隊や拠点施設における懸垂幕の掲示
     |            によるグリーンキャンペーンの実施
     |◆みどりの相談所開設
     |4/15(土)      大野市大野高校跡地
 福井県 |4/24(土)〜28(金) 福井・坂井・奥越・南越・丹生・敦賀・若狭
     |            合同庁舎
     |4/26(水)      和泉村役場前
     |6/4(日)      勝山市中央公園
     |常設          県総合グリーンセンター
     |◆緑化苗木れん価即売会
     |4/15(土)      大野市大野高校跡地
     |4/20(木)〜30(日) 県総合グリーンセンター
     |4/29(土)      鯖江市嚮陽会館前
     |5/4(木)〜5(金) 武生市武生体育館前
     |5/14(日)      春江町文化の森
     |◆緑化木手入れ講習会
     |4/15(土)      大野市大野高校跡地
     |4/28(金)      敦賀合同庁舎前
     |4/29(土)      県総合グリーンセンター、鯖江市嚮陽会館前
     |5/4(木)〜5(金) 武生市武生体育館前
     |5/14(日)      春江町文化の森
     |6/4(日)      勝山市中央公園
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     |◆緑の羽根募金運動募金活動
     |3/24(金)      JR福井駅前で緑化キャンペーン
 (社) |    〜5/31(火) 県内一円で募金活動実施。
     |◆緑化意識高揚運動ポスター募集
 福井県 |4月〜6月       児童・生徒を対象に緑化思想の高揚を図るため、
     |            緑化運動ポスターコンクールを実施
 緑化推進|◆緑化苗木無償配布
     |4/15(土)      大野市大野高校跡地、福井市桜橋(〜16(日))
     |4/26(水)      和泉村役場前
 委員会 |4/28(金)      福井市だるまや西武前、敦賀合同庁舎前
     |4/29(土)      鯖江市嚮陽会館前
     |5/5(金)      武生市武生体育館前
     |5/14(日)      春江町文化の森
     |6/4(日)      勝山市中央公園
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 福井県 |◆第37回福井県緑化大会
 緑化推進|            大野市南六呂師「円山公園」
 委員会 |5/25(木)      ・式典、表彰、大会決議、記念植樹
 大野市 |            ・参加者 約600名
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
丹生地方 |◆丹生郡緑化大会
林業振興 |            清水町真栗「ふくい健康の森」
会清水町 |5/31(水)      ・式典、表彰、大会決議、記念植樹
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
南越林業 |◆南越地区緑化大会
振興協会 |            池田町西角間「筵敷森林公園」
池田町  |5/24(水)      ・式典、表彰、記念植樹
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 2 平成7年度 グリーンフェア ’95

 主体 |   行事名     |   期   間    |  場     所
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 福井県|グリーンフェア’95| 9/23(土)〜24(日)|県総合グリーンセンター
    |“木と花と緑の祭典”|            |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 3 第3回緑の少年団県大会交流集会

   期 日     |        場 所     |参加者
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
H7/8/8(火) |記念式典|大野市南六呂師「奥越|
     〜9(水)|交流集会|高原青少年自然の家」|189名
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 表2−9−17 緑の少年団一覧表(平成7年10月30日現在)

事業所 市町村    団名          結成日  学校名
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-
 高志  福井市  福井市みどりの少年団   S54.5.25 国見・鷹巣・上郷・
                           下郷小学校
    美山町  下味見みどりの少年団   S55.7.20 下味見小学校
    松岡町  松岡町緑の少年団     H4.3.25 松岡小学校
    永平寺町 永平寺町みどりの少年団  H3.10.27 志比北小学校
    上志比村 上志比村緑の少年団    H4.3.25 上志比小学校

 坂井  三国町  雄島小学校みどりの少年団 H3.10.29 雄島小学校
    芦原町  芦原町緑の少年団     H3.10.1 波松小学校
    金津町 金津東小学校みどりの少年団 S55.5.1 金津東小学校
    丸岡町  丸岡町緑の少年団     S54.7.8 長畝小学校
     〃   竹田緑の少年団      H6.4.21 竹田小学校
    春江町  春江町緑の少年団     H3.10.29 大石小学校
    坂井町  坂井町みどりの少年団   H3.9.1 兵庫小学校

 大野  大野市  上庄みどりの少年団    S55.12.1 上庄小学校
     〃   六呂師みどりの少年団   S55.12.1 六呂師小学校
     〃   小山みどりの少年団    H3.4.1 小山小学校
    勝山市  むろこ緑の少年団     H3.5.9 村岡小学校
     〃   野向みどりの少年団    H3.5.9 野向小学校
     〃   杉の子緑の少年団     H3.5.9 平泉寺小学校
    和泉村  和泉村緑の少年団     S50.9.5 和泉中学校

 南越  武生市  白山みどりの少年団    S55.9.3 白山小学校
     〃   坂口緑の少年団      S55.7.18 坂口小学校
     〃   味真野緑の少年団     H4.1.10 味真野小学校
    鯖江市  河和田みどりの少年団   H元.3.23 河和田小学校
    今立町  服間みどりの少年団    S53.11.1 服間小学校
     〃   花筺みどりの少年団    H5.3.20 花筺小学校
     〃   岡本みどりの少年団    H5.3.20 岡本小学校
     〃   南中山みどりの少年団   H5.3.20 南中山小学校
    池田町  池田一小みどりの少年団  S54.8.20 池田第一小学校
     〃   池田三小みどりの少年団  S53.8.7 池田第三小学校
    南条町  南条みどりの少年団    H4.3.31 南条中学校
    今庄町  湯尾緑の少年団      H7.7.3 湯尾小学校
    河野村  河野小みどりの少年団   S61.8.6 河野小学校

 丹生  朝日町  朝日町みどりの少年団   S60.3.30 朝日西小学校
    宮崎村  宮崎村緑の少年団     H6.4.1 宮崎小学校
    越前町  四ケ浦小緑の少年団    H4.3.31 四ヶ浦小学校
    越廼村  越廼緑の少年団      H4.3.31 越廼小学校
    織田町  萩野小みどりの少年団   S55.7.24 萩野小学校
    清水町  清水西小緑の少年団    H4.3.31 清水西小学校

 若狭  敦賀市  敦賀市みどりの少年団   S52.4.1 黒河小学校
    小浜市  小浜市加斗みどりの少年団 S55.7.12 加斗小学校
    三方町  三方町緑の少年団     S57.10.27 三方第二小学校
    美浜町  美浜町緑の少年団     S56.10.22 新庄小学校
    上中町  上中町緑の少年団     H4.3.25 野木小学校
    名田庄村 名田庄村緑の少年団    S51.6.7 名田庄村中学校
    高浜町  高浜町緑の少年団     S59.4.1 和田小学校
    大飯町  大飯町みどりの少年団   S62.4.1 佐分利小学校
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 合計  35      46団            48


        3 森林とのふれあいの場づくり

 県は、森林の優れた自然環境を保全し、その公益的機能の維持増進を図
るとともに、県民に憩いとやすらぎの場を提供するため、図2−9−18の
とおり県内各地に「生活環境保全林」等を整備している。また、市町村に
おいても、このようなふれあいの場づくりが森林の有効資源を利用して積
極的に進められている。

 図2−9−18 生活環境保全林整備事業・多目的保安林総合整備事業
                               (図は略)
番号   名      称      所在地
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 県民憩いの森(生環)     織田町三崎
2 杣山史跡森林公園(生環)   南条町阿久和
3 若狭森林公園河内の森(生環) 上中町河内
4 国見岳森林公園(生環)    福井市奥平
5 みどりと自然の村(生環)   武生市安養寺
6 浄法寺山青少年旅行村(生環) 永平寺町浄法寺
7 刈安山森林自然公園(生環)  金津町清滝
8 大島マウントパーク(生環)  大飯町大島
9 矢良巣岳森林公園(生環)   河野村今泉
10 青井(生環)         小浜市青井
11 槙谷(生環)         名田庄村槙谷
12 八ッ杉自然公園(生環)    今立町別印
13 城山(多目的)        越前町厨
14 久々子(多目的)       美浜町久々子
15 藤倉(多目的)        今庄町今庄
16 弁ケ滝(生環)        勝山市平泉寺町
17 筵敷(多目的)        池田町西角間
18 薗部(多目的)        高浜町薗部
19 三方(生環)         三方町三方
20 吉峰(生環)         上志比村吉峰
21 関ヶ鼻(生環)        南条町関ヶ鼻
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 近年、生活環境等の都市化現象に伴い、自然とのふれあいの場がより一
層求められており、今後も森林の総合的な利用を促進するため、さらに充
実した施設等の整備を行なってゆく。
 また、森林・林業に対する県民の理解を深めるとともに、憩いの場と潤
いを与える場として、平成元年度から建設を進めてきた「グリーンパーク
」が福井県総合グリーンセンター内に完成し、4年8月1日から供用が開
始され、森林・林業の普及啓発の拠点施設としてその有効な活用を図って
いる。

4 森林資源の現状と方策
 本県の森林面積は、表2−9−19のとおりとなっている。

 表2−9−19 福井県の森林資源の現況(平成6年3月31日現在)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 総土地面積|    森林面積           (ha)  |
      |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|林野率
  (ha) |総  数|  国有林    | 民有林      |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 418,838 | 313,661|39,773(12.7%)| 273,887(87.3%)|74.9%

          民有林資源の状況
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-
   人工林面積   (ha)| 天然林面積  (ha)| その他面積  (ha)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-
    114,640 (41.9%)| 152,551 (55.7%)|   6,736 (2.4%)
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  | ス  ギ   100,379| アカマツ    7,519| 竹  林   1,462
 内| ヒノキ     5,410| クロマツ     310| 伐採跡地    127
  | アカマツ    7,467|その他針葉樹    26| 未立木地   5,147
  | クロマツ     993| ナ  ラ     132|
 訳|その他針葉樹    18| ク  リ      4|
  | 広葉樹      373| ブ  ナ    5,798|
  |           |その他広葉樹 138,721|
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  |   計   114,640|   計   152,511|   計   6,736
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(注)@総数と内訳の計が一致しないのは四捨五入による。
   A総土地面積は建設省国土地理院(平成5年10月1日現在)による。
                            (資料:森林保全課)

 これら人工林の多くは、若齢林で、育成途上にあるため、適切な枝打、
間伐等の実施が、健全な森林造成を図るうえで不可欠となっている。
 今後、21世紀に向け木材の需要とも併せ、森林に対する多様な要請に応
えうる大径材の生産等伐期齢の多様化を図る。
 また、多様な森林資源の整備を図るため、これまでの一斉林施業ばかり
ではなく、自然的立地条件に抵抗した複層林や天然林を育成していく。
 なお、緑に対する県民の関心が高まってきている今日、森林の総合的利
用の促進と合せて、県民総参加の森林(もり)づくりを推進することによ
り、健全な森林の育成に努める。

5 緑資源の保護対策
 森林は、林産物生産の場としてだけではなく、併せて水源のかん養、土
砂流出崩壊の防備、なだれの防止、保健休養などの諸機能を持っており、
県民の生活に密接に結びついていることから、特に重要なものは必要に応
じて保安林に指定し、伐採の制限や植栽義務など指定施業要件を定めて森
林の果たす諸機能の向上を図っている。なお、県内の民有林における保安
林指定状況は表2−9−20に示すとおりで、約36%を占める。

 表2−9−20  民有林における保安林延面積
               (平成7年3月31日現在、単位:ha)
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   |水 源|土砂流|土砂|潮害|なだれ| 魚 |    |  |
 種類|   |   |崩壊|  |   | つ | 保  健|風致|合 計
   |かん養|出防備|防備|防備|防 止| き |    |  |
−−−+−−−+−−−+−−+−−+−−−+−−+−−−−+−−+−−−−
 指定|   | (35) |  |  | (211)|  | (6,616)|(47)|(6,909)
 面積|84,444| 6,347| 359| 213| 2,465| 929| 2,363 | 43 |97,613
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   ( )書きは、上位保安林と兼種で外数扱い   (資料:森林保全課)

 このほか、一般の森林において1haを超える開発行為については、昭和
49年から森林法の「林地開発許可制度」を適用して、関係法令と併せて無
秩序な開発行為の規制を行なっている。また、1ha以下の小規模な開発行
為についても、平成6年4月1日に制定された「福井県林地開発指導要綱
」に基づき届出を義務づけるなど、森林に及ぶ各種の開発行為に対して適
正な土地利用の指導監督を行なっている。
 近年、レジャーの大型化や都市化の進展に伴い大規模な開発行為が増加
する傾向にあり、生活環境に配慮した緑資源の保護の立場から、より慎重
な対応が求められている。
 なお、県内における林地開発許可状況は表2−9−21に示すとおりであ
る。
 また、風水害等による荒廃、林野火災や雪害による立木損失、病虫獣害
等の自然災害を受けた森林については、治山事業や森林災害復旧事業等を
実施して健全な森林の維持増進を図っている。

 表2−9−21  林地開発許可の状況(平成7年3月31日現在、単位:ha)

 年    度   H2  H3  H4  H5  H6  S49〜H6の合計
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工場・事業場|件数  1    1    1    1           11
      |面積( 3.82) (13.19) (10.85) ( 5.75)        (174.17)
 用地の造成 |   3.57   6.65  7.73  2.81          68.90
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 住宅    |件数          2    3           12
      |面積         (32.36) (17.24)         (88.99)
 用地の造成 |           18.65  14.30          67.40
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 別荘地   |件数
      |面積
 の造成   |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ゴルフ場  |件数  2    1    1               11
      |面積(241.11) (68.38)(135.58)            (952.95)
 の設置   |   99.14  12.22  44.99             430.12
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
レジャー施設|件数  2    3                    6
      |面積 (58.59)(113.48)                (195.42)
 の設置   |   10.16  47.93                  67.46
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 農用地   |件数                         11
      |面積                         (79.49)
 の造成   |                           67.51
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 道路の新設 |件数                          2
      |面積                         (43.09)
 または改築 |                            4.46
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 土石    |件数  1    3    1    4    1       51
      |面積 (7.63) (13.09) (2.44) (18.99) (11.05)    (457.07)
 の採取   |    6.14  8.52  2.08  9.16  9.55     232.82
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      |件数                          4
 その他   |面積                         (24.69)
      |                           20.32
 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 |     |件数                          1
 |産業廃棄物|面積                         (2.99)
 |     |                            1.90
 |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 | 墓地、  |件数                          3
 |緑地造成、|面積                         (21.70)
 |自動車学校|                           18.42
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      |件数  6    8    5    8    1       108
 計    |面積(311.15)(208.14)(181.23)( 41.98) (11.05)   (2,015.87)
      |   119.01  75.32  73.09  26.27  9.55     958.99
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(注)上段( )書は、区域面積。下段裸書は、開発面積。(資料:森林保全課)

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