福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 若丸山
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
大野市:若丸山(319)
選定理由 その他地質学的に貴重な地点,地形形成史から見て典型的な地形
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  若丸山は,大野市熊河川上流に位置し,その頂上は厚い層状チャートから成っている.このチャート層は冠山北の厚層チャートから連続しているものである.したがって,両方のチャートの特徴も相互によく似ている.色は,白色がもっとも多く,ついで黒色,緑色を呈するものが多い.単層の厚さは,数pのものがほとんどである.単層と単層の間には,数oの泥質物をはさむ場合もある.チャート層は褶曲が激しく,極端に折れ曲がっている部分もある.若丸山に通じる谷沿いには,チャートの転石のほか,安山岩の転石も同じくらいに多い.しかし,若丸山に連なる尾根沿いには,安山岩の露頭は見られない.つい最近まで安山岩に被覆されていたが,侵食作用によってチャート層のみ残ったと考えられる.そのため周囲の砂岩層に比べて,チャート層である若丸山頂上部分は冠山と同様に周囲からやや突出した山容を呈している.周囲は,粗粒砂岩が分布し,一部に礫岩層が発達する.礫の種類は,花崗岩が多く,直径1m 以上のものも少なくない.チャートから放散虫化石の抽出を試みたが,化石らしいものは見つからなかった.冠山北の厚層チャートとほぼ同時期と考えられるので,中生代三畳紀のチャートであろう.
保護の現状
 と留意点
 この地域はほとんど人の手が入っていない.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)