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名 称 |
ササキリギングチ | ||
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学 名 |
Ectemnius furuichii (Iwata) | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ギングチバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:小池(56),赤兎山(75,76),嵐(118),谷山(120),若狭町(旧三方町):神子(1001),常神(1015),御神島(1016),名田庄村:虫谷(1067),野鹿谷(1145),尼来谷(1152) | ||
選定理由 |
生態学的に貴重なもの | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
銀口蜂は,本来は幼虫の食料として双翅目のハエやアブを狩る.ところが,本種はバッタ目であるササキリを狩る点で,ギングチバチとしての異端者である.また,産卵場所も本来は頭部と胸部の継目の頸部腹面に卵の頭端を固定する.しかし,本種はササキリの前脚と中脚の間にくっつける.朝鮮半島,本州に分布するやや珍しい蜂で,しばしばニワトコの古株に営巣する習性をもっている.県内では,大野市,三方町,名田庄村において,5 月から9 月にかけて,主に枯木やアブラムシが落とす甘露がついた下草に飛来する.本種の営巣場所は落葉広葉樹林の立枯木であるが,最近非常に少なくなっている.また,この蜂の獲物であるササキリ類の生息地も雑木林の中である. | ||
保護の現状 と留意点 |
前回のみどりのデータバンク調査では,大野市,名田庄村で記録された.しかし,今回の調査では,三方町御神島,常神,神子等の海岸近くに生息していることがわかった.特に御神島では常緑広葉樹林の中の大きな枯木に営巣していた.特異な習性をもった本種の生息場所が,スギの造林で年々縮小されており,このままでは近いうちに絶滅の道をたどるであろう.生態系の豊かな落葉広葉樹の保護や植林が望まれる. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |