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名 称 |
オオコオイムシ | ||
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学 名 |
Diplonychus major Esaki | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
カメムシ目コオイムシ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
あわら市(旧金津町):細呂木(501),勝山市:池ヶ原(183),大野市:刈込池(38),南六呂師(159,160),敦賀市:中池見(805),池河内(728,729),若狭町(旧三方町):中山(960) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
体長23 〜26mm の水生カメムシ類で,オスが背中に卵を背負い,孵化するまで保護する.本種は,近縁種のコオイムシと比べて,濃色で,体が大きくより太形であること,脚が太短く,前腿節のふくらみが強いこと,半翅の膜質部の翅脈が明瞭であることなどで識別される(宮本,1985 ;岡田,1991 ;苅部・高桑,1994 ).北海道から本州に分布し,水生植物が繁茂した浅いため池,湿地,休耕田などで記録されているが,コオイムシと比べると本種の方が,丘陵部から山地に多く,水深が浅くて水温が低い環境に生息する(伴,1979 ;岡田,1991 ;市川,1996 ;苅部・高桑,1994 ).本種は,前回のみどりのデータバンク調査では記録されておらず,1989 年に敦賀市樫曲中池見湿地において初記録された(松村,1992b ).しかしその後の再同定作業において,福井県昆虫目録(1985 )に記録されているコオイムシは,オオコオイムシであることが確認された(佐々治,私信).今回の調査事業では,金津町,勝山市,大野市,敦賀市,三方町の限られた池や沼,休耕田や湿地で記録された.また,生息標高は,低地から大野市刈込池のような標高1,075m の広い範囲にわたっていた(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1998 ). | ||
保護の現状 と留意点 |
今回の調査事業において,オオコオイムシは,コオイムシに比べ記録地が多いことが明らかになったことから,希少性のランクは,コオイムシに比べ低いと考えられる(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1998 ).しかし,広い範囲の標高で記録されているにもかかわらず,生息地が限られていることから,近年の止水性の湿地環境の急激な悪化により,本種が激減したと推察され,現在確認されている生息地の保全は必要である. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |