表題 |
渡り鳥保全調査報告1998年度 −福井県におけるナホトカ号重油流出事故のその後− |
---|---|
著者名 |
福井県自然保護センター |
掲載巻 |
Ciconia Vol.9 |
発表年 |
2000 |
分類 |
鳥類 |
要約 | 1998年度の夏期と冬期に,福井県の計20カ所の海岸で鳥類相とその繁殖状況を調査した.のべ42日の調査で計12目28科83種の鳥類が記録され,そのうち7目15科18種の鳥類の繁殖が確認された.希少な種としては,環境庁指定の「日本の絶滅のおそれのある野生生物」の絶滅危惧U類のハヤブサが三国芦原海岸,鷹巣海岸,越前海岸,常神半島で,準絶滅危惧の,ミサゴが三国芦原海岸,九頭竜川河口,敦賀湾,敦賀半島,常神半島で記録された.本年度とほぼ同一の場所,時期,方法および調査員で調査さていた1995年度の結果と比較して,オオハムとアカエリカイツブリが記録されなかったのは,1997年に起こったナホトカ号の油流出事故による影響であると考えられる.また,海洋・海岸性の鳥類の記録種数の減少した九頭竜川河口,越前海岸の左右〜梅浦,河野海岸,敦賀湾の杉津〜鞠崎では,まだ,汚染の影響が残っていたと考えられるが,その他の調査地ではそれから回復しているようであった.一度減少した海洋・海岸性の鳥類は,その回復に時間がかかるため,油汚染の鳥類群集への長期的影響も追跡することが必要である. |