表 題 | 福井県におけるツキノワグマの行動圏と環境利用U |
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著者名 | 大迫義人 |
掲載巻 | Ciconia Vol.5 |
発表年 | 1996 |
分 類 | 哺乳類 |
要 約 | 1995年,福井県におけるツキノワグマの行動圏とその利用環境を明らかにするために,ラジオテレメトリ一法による調査を行なった.亜成獣オス1頭,成獣メス1頭の計2頭が捕獲され,首輪式発信器を装着して放野された・1994年より縦続追跡されている3頭を含めた計5頭のうち,成獣オス(M940602)と成獣メス(F950915)の各1頭が長期にわたり追跡された.連日記録されたF950915の1夜あたりの移動距離は,平均2,274±1,369m(SD)mであり,幼獣を連れていたメスのそれより有意に長かった.また,M940602の行動範囲はほぼ飽和し,その面積は2,343haであったが,前年のそれより位置が片寄り面積が小さかった・季節的に行動範囲が移動することは確認されなかったが,本個体の定位測定点の分布は,一様でなく集中するコア・エリアが存在した・行動圏の植生は,主にコナラ群落,スギ植林とクリーミズナラ群落であったが,本個体は,スギ植林を有意に選好していた.1994年の調査でも同様の傾向があり,これは福井県の個体群の特徴であるかもしれない. |