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●種の特性
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福井県に生息する唯一の高山蝶で,茶褐色の地色に橙色の斑紋があり,雌には裏面の帯状斑が灰白色と黄褐色の2 型がある.地理的変異に富み国内でも多くの亜種に分けられている.本州では高山の陽当たりのよい草原に生息し,年1 回,7 月下旬〜8 月に発生する.太陽の光には敏感に反応し,陽が照ると草の間から涌き出すように飛びだし,草上をゆるやかに飛翔する.三ノ峰のものは白山をタイプ産地とする亜種ssp. yoshisakana に含まれる.
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●生息状況
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北海道,本州に分布し福井県の三ノ峰が西南限の生息地である.
三ノ峰では標高1,450m あたりから上の草地に発生し個体数も多い.
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●存続を脅かす要因
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三ノ峰一帯は国立公園の特別保護区の区域内にあり,充分な保護策がとられている.しかし,登山者の増加に伴う生息環境への影響には,これからも注意する必要がある.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
川副昭人.1976 .原色日本蝶類図鑑.保育社.大阪.
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