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●種の特性
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体長約1cm ,磨縁部が長くしたがって顔が大変細長く見えるハナバチである.近似種のホオナガヒメハナバチとは,やや小型であること,磨縁部がより長いことなどで識別できる.
早春発生し,地中に巣を作って,ウグイスカグラの花に訪れ花粉を集めるとされている.
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●生息状況
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本州の太平洋側と山陰地方,四国,九州に分布する.従来,訪花するウグイスカグラの分布と一致するとされている.本県においては高浜町青郷, 江市西山公園,福井市足羽山で採集されている.ウグイスカグラは高浜町から三方町まで分布するが,嶺北地方には生えていない.西山公園ではツクバネウツギに飛来したものを採ったし,足羽山では嶺南地方から移植したヤマヒョウタンボクの花で採集された.ウズイスカグラの分布とは必ずしも一致しないことが明らかになった.
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●存続を脅かす要因
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本種の訪花植物の一つであるツクバネウツギは,海岸近くの丘陵地から低山帯まで,雑木林の林縁に見られる低木である.里山を開発したり,また反対に放置して藪化するとツクバネウツギは育たなくなり,本種の存続を脅かすこととなる.
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●参考文献
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羽田義任.1997 .コガタホオナガヒメハナバチをツクバネウツギの花で採集.福井虫報,(21 ):3 9.福井昆虫研究会.
高橋秀男.1994 .ウグイスカグラヒメハナバチを福井県で採集.福井虫報,(15 ):60.福井昆虫研究会.
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