環境ふくい推進協議会の情報紙
第39号 平成16年8月発行
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【主な内容】 /// ふるさとの環境自慢 /// 南条町 「花はすの里」 /// 特 集 /// 地球温暖化を考える5 地球の健康診断書 /// 私達の活動紹介 /// |
表紙写真 「天」 撮影/冨田 主江 |
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日野山 |
南条町は、福井県のほぼ真ん中に位置する田園の町です。町の中央を日野川が流れ、日野山、杣山などの山々に四方を囲まれた自然の恵み豊かな所です。
北に位置する日野山は、標高七九五メートル、泰澄大師によって開かれた越前五山の一つで、その優美な姿は別名「越前富士」とも呼ばれています。南条に生まれた人なら誰でも一度は登ったことのあるこの山は、子どもの頃、お天気占いの山として有名で、雲の形で「ひのさんがはちまきしてたら晴れ、帽子かぶっていたら雨」などと親しまれていました。迷信かな?と思っていたらこんな句を見つけました。
あすの月 雨占わん ひなが岳
(日野山)
芭蕉
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杣山城跡 | 殿池 |
また、南条町と今庄町にまたがる標高四九二メートルの杣山は、かつては北の比叡山と呼ばれ、南北朝時代には南朝方の拠点になるなど、多くの戦乱の場所となりました。山頂の城郭は鎌倉末期から瓜生氏の居城となり、南朝方の中心であった瓜生保の死後は新田義貞が立てこもり、軍を整えた所です。付近には、袿掛岩や姫穴、殿池など、当時の面影がしのばれる場所が点在しており、このあたりから見渡す日野山、日野川の流れなどの展望は爽快です。現在ではハイキングコースも整備されており、歴史の跡を訪ねながらの散策も趣があってよいのではないでしょうか。
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花はす公園 |
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杣山ハイキングコース |
杣山の麓にある花はす公園では、二千年ぶりに蘇った「大賀蓮」をはじめ、世界の蓮八十八種が優雅な姿を見せています。花蓮は、町の代表的な特産品で、国内出荷量の約6割を占めており、七月から八月にかけてピンク色の花々が辺り一面咲き誇る様子は、ため息が出るほど美しく私たちを楽しませてくれます。花蓮は早朝四時頃から咲き始め、一〇時には花弁を閉じてしまうので、早起きしなければ見られません。早朝の清んだ空気の中で耳を澄ますと、花の咲く「ポン」と言う音が聞こえてくるようです。
南条を離れて二十数年、清らかな水の流れと緑豊かな山々、懐かしいふるさとを思うとき、ふと頭に浮かぶ歌があります。
山、日野の山 川、日野の川
暁かけて はやぶさの
日の野山より杣山に
雄々しき羽の打つごとく
南朝の史に ゆかりあり
ゆかりあり 南条小学校
(南条小学校校歌より)
思い出そのままに、いつまでも変わらないふるさとであってください。
●ふるさとの環境自慢募集中!
みなさんの故郷自慢で一ページをかざりませんか。千字程度の原稿に地図・写真を添付して応募してください。場所の紹介だけでも結構です。
採用された方には記念品をお送りします。
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優 良 可 不可
( 病名 : 地球温暖化病 )
四十二万年間以上保ってきた増減巾を突破して今なお増加し続けており、極めて深刻です。
検査結果は上図の通りです。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)(世界気象機関と国連環境計画によって設置された機関。)
調査者
世界各国から九九六人の科学者
総括執筆責任者と執筆責任者 計一二二人、執筆協力者五一六人、査読編集者二一人、専門査読者三三七人による。
上図の過去の部分は図2、未来予測部分は図3を基礎として作成しました。
図2南極ヴォストーク基地の氷柱試料の分析によれば、過去四十二万年間に地球は一〇万年周期で四回の氷期を経験した。大気中二酸化炭素濃度は間氷期には二八〇ppm、氷期には一八〇ppmと周期的に変動した。(気象庁)
図3IPPC第三次評価報告書では、六種類の排出シナリオを設定し、百年後の平均気温、海面水位、大気中の二酸化炭素濃度予測などを行っている。
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二十世紀中に〇.四〜〇.八℃上昇した。(日本は約一.〇度上昇した。注一)
(たとえて言えば、二.〇℃の気温上昇は日本が三〇〇km南に移動するのに同じ。注二)
二〇世紀中に一〇〜二〇cm上昇した。
(日本の砂浜の四三%が近年侵食されつつあり、福井県の砂浜は三五cmの上昇で六五%消滅する。注三 )
海氷面積は一九五〇年以降で一〇〜一五%減少した(春及び夏)。厚さはここ数十年で四〇%減少した(晩夏〜初秋)。
平均気温は一九九〇〜二〇〇〇年に一.四〜五.八℃上昇。
〈日本の中央部付近では六.五〜二.五℃上昇 注四〉
洪水、干ばつ、森林火災、台風の増加。農業や水産業への被害による食料難。マラリアやデング熱など熱帯性感染症の増大。
海面水位は一九九〇〜二一〇〇年間に九〜八八cm上昇する。
沿岸の侵食、高潮のリスク増大、土地や財産の損失、沿岸自然生態系の減衰、淡水域への塩水の侵入、観光資源の消失。
一九五〇年から一九九〇年間に環境破壊による経済的損失は一〇倍に達した。今後も急激に増加の恐れがある。
一九五〇年代の年間四〇億USドルから一九九〇年代には年間四〇〇億USドルと増加し、今後も急激に増加する恐れがある。
温暖化によって 極地周辺に閉じ込められていた温室効果ガスが放出され、温暖化を一層加速させる。
海洋の熱塩循環の停滞によって、一万年間続いた「奇跡のバランス」が崩壊し、図2赤点線のように気候が激変する恐れがある。
地球温暖化病の原因である二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を直ちに五〇〜七〇%削減しなければならない。(注五)
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=福井県の運輸部門(自動車、貨物等)一九九〇〜二〇〇〇年比で三九.三%増加
その他、民生部門(家庭・業務)は、三四・三%増加
第一約束期間(二〇〇八〜二〇一二)までに先進国は温室効果ガスの排出量を五%(日本は六%)削減する。ただし、それ以後の中長期的計画については、日本では未決定。
長期的展望がなければ計画できない土木・建築・都市計画・交通などの分野では暫定的に右記や上図(図四))を参考にされたい。
長期的課題より抜粋
・・・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のバート・ボリーン名誉議長が述べられましたように、大気中の二酸化炭素濃度を五五〇ppm以下で安定化させるためには、二一〇〇年までに世界中の一人あたりの年間二酸化炭素排出量を、炭素換算で一トン以下に抑えること、すなわち、先進国においてはおよそ現在の三分の一にまで削減することが必要です。
(京都会議 一九九七)
図四のとおり、ドイツ、EUなどの欧州各国が減少傾向にあるのに比べ、日本は依然として上昇傾向にあり、中でも全体の二二〜二三%を占める福井県の運輸、民生部門は驚異的な上昇を続けています。最近の増加要因としては、都市が郊外に拡散して店舗などが大規模化していること、県民の交通移動手段がますます自家用車中心の生活になっていることなどが主な原因として考えられます。
私たち福井県民の生活や仕組みは明らかに京都議定書に逆行した方向に突き進んでおり、根本的な方向転換が求められています。
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現在の二酸化炭素排出量は火山活動が活発だった約一億年前の白亜紀の約三十五倍に相当すると言われています。
これによって引き起こされる地球温暖化病は、病気の原因を作っている現在の私たちよりも罪のない子孫に多大な苦痛を及ぼします。
このため、従来の価値観を見直して、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量をできる限り早く、大幅に減少させることが現代の私たちには強く求められています。
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左図は前記図3のB1シナリオの条件項目に「環境効率」などを加えて作成したものです。
近年欧州では、現在の生活の質を向上させながら資源循環型の持続可能な社会を築こうという「環境効率」という処方箋が開発され、産業界を中心に採用されつつあります。物質指向をセーブし、環境税などと合せて広く服用すれば、難病の克服も夢ではありません。
一刻も早く、地球破滅型の豊かさを求めることをやめ、持続可能な新しい豊かさの方向に歩み出したいものです。
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環境へのより少ない負荷で、よりよいものを生産しようとする「環境効率」は日本でも大企業を中心として多くの企業で取り入れつつあります。ISO一四〇〇一はこの環境効率の向上をめざして制度化されたものです。
この環境効率を建築の分野で具体化されたシステム(CASBEE)も開発され、今後の普及が期待されています。
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マイレージ情報とは生産地から消費地までの輸送にかかるエネルギーを評価するシステムです。できる限り輸送エネルギーの少ない食品や木材を購入することは、日本の食料自給率の向上や国内林業の振興にも貢献するものと思われます。
七月の記録的な豪雨や異常高温は、地球温暖化の危機を予感させるものでした。今回、人間の健康診断書になぞらえて、本稿のような文面で温暖化問題を表現してみましたが、今後二度とこのような災害に遭遇しないためにも、地球の予防医学ともいうべき「温暖化防止対策」と治療医学的な「温暖化対応対策」の両面から、迅速に取り組むことが極めて重大であると痛感する次第です。
注一:地球温暖化の日本への影響二〇〇一
注二:「体温、異常」(一九九七)
注三:「地球温暖化の重大影響」(一九九七)
注四:「地球温暖化の日本への影響二〇〇〇」
以上全て環境省資料より抜粋
注五:IPCC第二次報告書 (一九九五)
(環境カウンセラー 酒井良雄)
二夜(にや)の川は昔から農業用水路として利用されてきましたが、昭和36年以降は上流に大手の繊維会社ができ、以来水量も多くなり都市下水路となりました。昭和40年代から二夜の川沿いに住宅が立ち並び、それに伴い川の汚濁が始まり、50年代後半には「ユスリカ」が大量に発生しました。川沿い一帯に飛び交い、夕暮れ時の街灯の下では雲霞の如く「ユスリカ」が目に入り通れない有様でした。
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これを機に昭和60年9月、松原公民館地域内に6町内によって結成されたのが「二夜の川を美しくする会」です。「ユスリカ」の撲滅に向けて天敵であるコイの稚魚を、平成7年頃からは成魚の錦鯉を毎年放流しています。今では会員1、300人と地域住民の理解と協力が実り、本来の二夜の川の姿を取り戻しつつあります。また、川の清掃、川沿いの植樹や美化啓発を呼びかける看板設置や先進地の視察研修などを行っています。
こうした功績が認められ、環境庁長官、建設大臣、環境協会から表彰の栄に浴しています。さらに環境を守る活動として学校教育の場において小学3,4年生の社会科の副読本に『二夜の川の実践』が教材に使われています。
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敦賀市による水車のある鯉公園の設置や川沿いの公共下水道も完備し、目下、河川の改修工事が続いています。二夜の川沿いが緑と環境の整った地域住民の憩いの場として装いも新しく完成する日も間もないことでしょう。平成17年は当会発足20年の節目を迎え、盛大なイベントを開催する予定です。ぜひお越しください。
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(二夜の川を美しくする会 会長 村上 哲雄)
はじめまして。私たちユース各店は地域のお客様方の食材提供者として、「安全」・「安心」・「美味しい」・「健康」をテーマに当社の経営理念である「感謝の商」の具現化に取組んでいます。
1)ゴミを減らし資源を回収する努力をつづけています
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2)環境汚染を出来るだけ抑える努力をつづけています
@各店舗照明器具のリサイクルに取り組んでいます。
A無洗米(BG米)を使用、とぎ汁を流さない努力をしています。
B汚水の分解になるべく自然環境に負荷が掛からないよう、使用する材料の一つひとつに配慮しています。
3)環境を考えた商品、資源リサイクル商品の販売に取り組んでいます。
これからも環境にやさしい企業を目指して日々精進してまいります。
(株)ユース開発部 鈴木 謹一
県内で絶滅に瀕している野生生物として動物で三七一種、植物で四九二種もあることを知り非常に驚きました。野生生物にとって良い環境を残すことは人間にとってプラスになることだからみんなで考えていきたいです。
(武生市 会社員 男性)
最近はサルやイノシシが平地まで下りてきて、こわくて近くの山にも入れなくなってしまいました。野生生物との共生も考えさせられます。
(鯖江市 公務員 女性)
山が削られ、田んぼが埋めたてられ自然が破壊されていくのを最近寂しく思うようになりました。里地里山は野生生物だけでなく、人間の為にも残す活動が必要だと思います。自分の子供の為にも。
(敦賀市 会社員 男性)
里山を是非復活させたいですね。
(鯖江市 主婦 女性)
福井は自然に恵まれていると安心していましたが,もう守っていかねばならない程危ないということが分かりました.自然という言葉の意味が変わっていくような気がしました。
(小浜市 アルバイト 女性)
ふるさとの環境自慢、関心もって読んでいます。魅力にひかれ探訪しています。
(福井市 会社員 女性)
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知事室にて受賞報告 (6月11日) |
環境省が地域の環境行政に貢献した人に贈る本年度の地域環境保全功労者に、「環境ふくい推進協議会」企画委員長の御嶽義視さん(六三)が選ばれました。
私たちの「環境ふくい推進協議会」は今年で設立して十年を経過しますが、御嶽さんは設立当初から企画委員として活動されてきました。現在は企画委員長として事業の企画、実施に関わっておられ水環境の保全をはじめとする環境保全活動行政の推進に多大な貢献をされています。
また、地元の朝日町では「天王川美化運動推進協議会」の会長として、魚の放流など地域住民への河川愛護・美化意識の高揚に務めていらっしゃいます。
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福祉環境部長室にて伝達表彰 (6月3日) |
河川の環境保全に貢献したとして、武生市八幡の福田恵美子さん(六七)と南条町の市民団体「牧谷川の水を飲む会」が選ばれました。
福田さんは、八ヶ川で二十年以上美化活動に取組み、平成十四年には「八幡ほたるの里」を結成されました。
「牧谷川の水を飲む会」は、平成三年に地元住民によって結成されました。生活排水などで汚れた牧谷川の清流を取り戻すため河川清掃や勉強会に取り組まれています。
去る五月十七日(月)、福井県国際交流会館(福井市)において、平成十六年度の環境ふくい推進協議会総会が開催されました。
まず、平成十五年度事業および収支決算について事務局からの報告のあと、監査委員から事業の執行および会計経理が適当に処理されているとの報告がありました。
また、平成一六年度の事業の実施について、次のとおり決定しましたのでお知らせします。
@環境活動リーダ講座(九〜十一月頃)
Aパートナーシップ交流会(十月頃)
B環境アドバイザーの派遣助成(対象…企業会員)
C地球環境保全活動の推進
・「クリーンアップふくい大作戦」の主唱
・「アイドリングストップ運動」の普及啓発
・「ノーマイカーデー」の普及啓発
・「マイバッグ・ノートレイ運動」や「食べ残し減量運動」の普及啓発
県と主催で十七年三月頃に「ふくい環境シンポジウム」を開催する
「みんなのかんきょう」を年四回発行
環境保全活動に取り組んでいる個人、団体等を表彰
パンフレットの配布やホームページの充実
16年7月福井豪雨により被害を受けられた地域の方々には、心よりお見舞い申し上げます。
今回の水害に関する問い合せや相談等に応じています。
TEL 0776-20-0221,0222 E-mail kenmin-s@ain.pref.fukui.jp
被害を受けられた中小企業者を支援するものです。
・県産業労働部経営支援課(県庁四階)
TEL 0776-20-0366,0367
・財団法人 福井県産業支援センター新事業支援部
住所 〒910‐0296 丸岡町熊堂3‐7‐1‐16
TEL 0776-67-7400
8:30 〜 19:00【当分の間は土日祝日にも受付】
福井豪雨により直接被災した中小企業者および被災した企業との取引の減少により間接的に被害を受けた中小企業者等
資金調達に関する相談、中小企業施策・関係機関の紹介
福井健康福祉センター | 電話 0776−36―1116 |
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坂井健康福祉センター | 電話 0776−73―0600 |
奥越健康福祉センター | 電話 0779−66―2076 |
丹南健康福祉センター | 電話 0778−51―0034 |
二州健康福祉センター | 電話 0770−22―3747 |
若狭健康福祉センター | 電話 0770−52―1300 |
金融機関 | 口座番号 | 口座名 |
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福井銀行 県庁支店 | (普)1059018 | 福井県災害 対策本部 |
福井県信用農業協同組合連合会 本所 | (普)0001242 | |
みずほ銀行 福井支店 | (普)1743427 | |
福邦銀行 本店営業部 | (普)5367913 | |
福井信用金庫 本店営業部 | (普)4270158 | |
北陸労働金庫 福井支店 | (普)3192103 | |
郵便局 | 00760‐0‐700 |
次の県の機関でも受け付けます。
県出納事務局、福井県税事務所、坂井県税事務所、大野県税事務所、南越県税事務所、朝日土木事務所、嶺南振興局若狭税務部、嶺南振興局二州税務部
問合せ先:県出納事務局 TEL 0776-20-0523
受付時間:8:30 〜 17:00(土日祝日除く)
環境ふくい推進協議会では、随時会員を募集しています。
環境問題に関心のある方、本紙『みんなのかんきょう』を毎号読みたい方、当協議会主催行事等の情報を知りたい方は、ぜひご入会ください。お待ちしております!
個人会員:500円
企業会員:10,000円(1口以上何口でも可)
団体会員:無料
環境ふくい推進協議会事務局(福井県環境政策課内)
TEL 0776−20−0301
「こんな特集が読みたい!」「環境を守るには何から始めたらいいの?」「私は環境のためにこんな工夫をしているよ」など、皆さんからのご意見や素朴な疑問、感想をお待ちしております!!
頂いたご意見はこれからの紙面づくりに役立てていきますのでよろしくお願いします♪